長編
□僕らの関係(停止中)
1ページ/9ページ
あいつに彼女ができたから
もう猫のキスはできない。
*
「ベクー」
朝から元気に駆け寄ってくるのは俺の幼なじみ、チャニョルだ。
「おはよっ」
「おはよー」
欠伸しかでない朝にもチャニョルは笑顔で走ってくる。
高校ではハッピーウイルスとか言われて人気者だ。
「だりーな学校」
「でも今日は転校生が来るんだって」
「へー」
転校生か…。
まあ俺には関係ないけどなーと思いながら自転車を発車させた。
「はい、それでは転校生を紹介します」
席に着くと先生が転校生を連れてきた。
おいおい、うちのクラスだったのかよ。
ざわざわと騒めくクラス内。
チャニョルを見るとワクワクしながら隣の奴と話していた。
「じゃあ入ってきてー」
入ってきたのは、一目でわかる可愛い子。
クラス内で男子の小さな歓声が起こる。
あー、なんか、あいつが好きそうなタイプだなー。
そう思いながら盗み見ると、やっぱりぽーっとした目で転校生を見つめていた。
「まだ学校のこと知らないと思うので、えーとパクチャニョルくん案内係よろしくね。」
「えっ」
クラスのみんながチャニョルのほうを向く。本人もびっくりした様子だ。
「よろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をする可愛い子に
「はい…」
あいつもメロメロになっていた。