長いお話

□漂流者2
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朝の海。
【天命海の家】の経営者、ゴウは、朝の海を散歩するのが日課だ。
清々しい気分に浸れ、運動にもなるからだ。
それと、この海は観光地としても名が高い。ごみ拾いも兼ねて、ここら一帯を散歩しているのだ。
「ったく…マナーを守らん奴が最近は増えて…」
いつものように、空き缶を袋に入れようと、屈んだとき。
青々とした朝の海で、銀色に輝くものが見えた。
「…なんだ?」
金属など捨てる奴もいるのか…とため息をつきながら近寄って見ると、
銀色の髪をした人間が、横たわっていた。
「お、おい!大丈夫か!?」
急いで近寄り、息を確かめる。
心臓マッサージを施すと、小さく咳をして水を吐いた。
…気絶しているだけのようだが、異常に息が荒く、体が冷たい。
おそらく、長い間海に浸かっていたのだろう。
「ひ、ひとまず温かくしなければ!」
その人を担ぎ上げて、自分の店へと走り出した。
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