長いお話
□漂流者
1ページ/1ページ
静かな夜だった。
微かに香る潮。
眼前には、闇より深い深淵。
闇夜に、白銀が煌めいた。
甲板に、一人の男が立っている。
静かに音をたてる海を見つめて。
風になびく見事な白銀の髪。
しかしその顔は、悲哀に満ちていた。
甲板に立った男は、唇を噛みしめ、忌々しそうに『何か』を呟くと、
夜の海に、身を投げた。
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ