天界書物庫

□嫌よ嫌よも…
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賑やかな店内。ワインの注がれる音。
−NO.1と称される男が、椅子に腰掛けた。
「あんたか。俺を指名したのは…」
男らしい顔立ちと、左右で違う色の瞳。女性の隣に座った。
「まぁ、楽しんでいってくれよ」
カラン、とグラスを鳴らした。

−違うテーブルでは…。
No.2と称される男が、女性の手をとった。
「ふっ…お前も物好きだな…」
ミステリアスな風貌の、整った顔立ちをした男。
「…最高の思い出にしていってくれ…」
女性の手の甲に、軽くキスを落とした。


-控え室-
「お疲れ様です!流石、No.1のゴウ先輩!今日も沢山指名されてましたね!」
キラキラと輝いた眼差しをゴウに向け、シンは労いの言葉を向けた。
「まぁ、当然だな」
ガチャ、とドアの開く音がして、銀髪の男が入ってきた。
「あ、ルカ先輩!」
「ああ、お前は…確か新人の…」
「シンです。私の顔を覚えて下さってたんですね…!感激です」
ルカはゴウに見向きもしないで部屋の奥に行った。
「あ、あの…ゴウ先輩…これって私、嫌われてたり…?」
「いや。興味が無いんだろ。冷淡で無口で可愛げが無いからな」
鼻で笑うように言うと、ルカの手の動きが止まった。
「…何か言ったか?野蛮人?」
「あぁ?誰が野蛮人だって?」
シンは心中で、(やっちまった)と心底後悔していた。No.1とNo.2と言われる二人は、犬猿の仲…いやそれ以上ではないかと言われるほどの不仲だった。
売り言葉に買い言葉で、収拾がつかなくなっていつも永遠と続く。
シンは、喧嘩をし始めた二人を置いて、オーナーの所に逃げ込んだ…
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