天界書物庫

□怖がり
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俺、ゴウは今デートの真っ最中。
最愛のルカに、カッコいいところを見せようと、遊園地で奮闘中だ。
「ルカ、次はどこ行きたい?」
浮きだったまま聞くと、ルカは遠慮がちに辺りを見渡した。
ああもうその仕草、可愛すぎだろ
「じゃあ、あれ」
そう言って指差したのは
『お化け屋敷』だった…
「…嫌か?」
そんな風に首を傾げられちゃ、行くしかないだろ…!
「いいいや!いいいい行こうか」
誤魔化そうと思っても、声が震えて言葉にならない。
男を見せるのだ、ゴウ!
「…ああ、行こうか」
ふわり、と微笑んで、俺の手を握る。なんだこの天使
勿論俺は、これから来るであろう恐怖に怯えていた…
*
ゴウは隣で震えている。
平然を装っているつもりだろうか…
やっぱり言わない方が良かったな、と今更ながら後悔する。
ゴウが幽霊とか苦手だとは聞いたことがあったが、まさかここまでとは思ってみなかった。
というか…私が怖がった方がいいのだろうか?
遊園地デートの定番は、お化け屋敷だと聞いたことがある。
しかし、つくりものだとわかっていると、ゴウほど怖がれない。
「る、ルカ、大丈夫か?怖くないか?」
「あ、ああ。」
一番怖がってるのはお前だろう。
というつっこみはおいといて、こんな状況でも心配してくれているらしい。
少しだが、嬉しくなった。
突然、茂みからとても見覚えのある影が現れた。
『うおぉぉ!!』
「ぎゃあぁぁっっ!?」
その影が雄叫びをあげると、ゴウは面白いくらいに悲鳴をあげ、何処かへ走り去ってしまった。
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