OrderDogMurder

□第二部 非日常的日常
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部活を早めに切り上げたので、暇そうなアキラと寮まで帰った。

「わかんないことあったらなんでも聞いてくれよ。」

そういう彼は少し頼もしく見えた。
しかし、心配なのはタツキのことだ。
何故私以外にまで狙われるのか。

だが、今悩んだところで変わらない。
ボスに報告して、タツキの屋敷に連絡を入れよう。

「俺以外には殺させない。」

小さく呟く。

「ん?なんか言ったか?」

なにも、と首を振る。
アキラも、そっか、ならいいや、と笑う。
その笑顔があまりにもまぶしいので、私は思わず目を細めた。


「あぁ、そうだ。ダンス部皆の連絡先くれない?今後必要になるしさ。」

話題を変えようと話を振った。

「おう、いいよ。ちょっと待ってな。」

アキラはいそいそと携帯を取り出す。

「赤外線でいい?」

構わない、と伝える。
携帯を彼に預ける。

「お前のこれ?」
「そうそう。ありがとな。」
「なんのこれしき」

他愛もなく話していると、寮に着いた。
部屋に戻る。
この寮は1人一部屋だ。
スペースも申し分なく、マダムのサービスも十分すぎるほどだ。

なんの因果か、私の部屋はパクとアキラに挟まれていた。
しかもアキラの逆隣は泉だという。

「あ、今日お前の部屋遊びに行っていい?パクと泉連れて!」


…は?
遊びに?
冗談じゃない。
仮にも私は女子だ。
男子としてこの学校に来ているがれっきとした女子なのだ。
確かに胸の発育は遅く(もはや止まっているが)、サラシもそんなにきつく巻く必要がない。
それに部屋にはまだ武器や暗器が置かれたままだ。
見つけられたらえらいことになる。

しかしここで断るのも気がひける。
仕方がない。
少し迷いつつも、

「いいよ。遊びに来いよ。散らかってるから準備できたら呼ぶよ。」

とだけ言って部屋に戻った。

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