OrderDogMurder
□第三部 亀裂と秘密と牆壁と
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忙しい夜が明け、朝が来た。
「ん…、5:30か…。」
私は重い体を起こし、ガリガリと頭を掻く。
昨日できなかった分、学校の準備をして、食堂に行く。
am6:00だ。
食堂にはすでに数人の生徒がいた。
その中に見覚えのある2人がいた。
「おはようございます、翼。」
「おはよう、泉……と先生。」
「おはよー翼ー」
やっぱり帰ってなかったんだ。
「先生…。あの昨日のことなんですけど、」
「あー、いろいろ漁ったり散らかしたりしてごめんなー。片付けといてくれたんだって?奏から聞いたよ。ありがとな。」
あれ、女物の方は聞いてこない。
ふと泉を見る。
泉が私を手招きする。
呼ばれるがままに泉の隣に行く。
「大丈夫です。先生は昨日のことは忘れています。きっとパクも忘れてますよ。」
耳元で囁かれた。
「よかった…!」
安堵した。
真っ当に生きろとは言われたものの、まだ最後の仕事が残っている。
それまでは、(どうしようもない時を除いては)ばれないようにしなければ。
「ん?2人で何こそこそしてるんだ?」
先生が興味津々に聞く。
「先生には関係ありませんよ。」
「昨日のことをちゃんと反省したら教えようかなー。」
「えー、けちー」
子供のように駄々をこねる先生は、マダムの用意した対二日酔い飯を食べ終えると、学校へと向かった。
2人きりになり、気まずい空気になった。
朝食は6:30からだ。
あと10分はある。
それより前にここに来るのは、勉強するかとか、そういう目的の生徒しかいない。
一旦、部屋に戻ろう。
そう思って席を立った。
「戻るんですか。じゃあ俺も戻ります。」
突然泉がそう言った。
昨日の一件があり、泉を直視できない私は、泉の方を向かず、無視するように歩き出した。
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