OrderDogMurder

□第三部 亀裂と秘密と牆壁と
1ページ/11ページ



忙しい夜が明け、朝が来た。

「ん…、5:30か…。」

私は重い体を起こし、ガリガリと頭を掻く。
昨日できなかった分、学校の準備をして、食堂に行く。

am6:00だ。
食堂にはすでに数人の生徒がいた。
その中に見覚えのある2人がいた。

「おはようございます、翼。」
「おはよう、泉……と先生。」
「おはよー翼ー」

やっぱり帰ってなかったんだ。

「先生…。あの昨日のことなんですけど、」
「あー、いろいろ漁ったり散らかしたりしてごめんなー。片付けといてくれたんだって?奏から聞いたよ。ありがとな。」

あれ、女物の方は聞いてこない。
ふと泉を見る。
泉が私を手招きする。
呼ばれるがままに泉の隣に行く。

「大丈夫です。先生は昨日のことは忘れています。きっとパクも忘れてますよ。」

耳元で囁かれた。

「よかった…!」

安堵した。
真っ当に生きろとは言われたものの、まだ最後の仕事が残っている。
それまでは、(どうしようもない時を除いては)ばれないようにしなければ。

「ん?2人で何こそこそしてるんだ?」

先生が興味津々に聞く。

「先生には関係ありませんよ。」
「昨日のことをちゃんと反省したら教えようかなー。」
「えー、けちー」

子供のように駄々をこねる先生は、マダムの用意した対二日酔い飯を食べ終えると、学校へと向かった。

2人きりになり、気まずい空気になった。
朝食は6:30からだ。
あと10分はある。
それより前にここに来るのは、勉強するかとか、そういう目的の生徒しかいない。

一旦、部屋に戻ろう。
そう思って席を立った。

「戻るんですか。じゃあ俺も戻ります。」

突然泉がそう言った。
昨日の一件があり、泉を直視できない私は、泉の方を向かず、無視するように歩き出した。

NEXT→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ