OrderDogMurder

□第二部 非日常的日常
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学園に転校してから2週間が経った。
まだ殺してはいない。
計画を練っていた。
授業が終わると部室に行き、ミーティングをしてからストレッチ、そしてダンスをする。
私はマネージャーとして、一人一人を録画し、それぞれに合った練習を提示する。

楽な仕事だ。

録画するのには、もう一つ目的があった。

それぞれの隙を突くためだ。

せっかく榊原タツキを呼び出したとしても、他にばれては元も子もない。
一人一人の弱点をつかんでおいて、確実にバレないように殺すのだ。
いつものやり口だった。

そんなこんなを続けて、ようやく計画を実行に移す時がきた。
ーーまだ、殺しはしない。
メンバーを部室ではなく、校舎裏の誰も通らない場所に連れて行く。
まずはパクとタツキを呼び出した。
パクとタツキは仲が良い。
基本的に一緒にいる。
離れている時といえば授業中くらいだが、周りに人が多すぎる。
だからまずは探ることにした。

「ドラゴン先輩、なんですか?話って。」

パクが言った。
相変わらずの呼び方だ。
ならなぜアキラをゴッド先輩と呼ばないのか不思議だ。

「あぁ、ダンスのことなんだけどね。その前に、最近変わったことはない?2人の間とかでさ。」

2人が悩む。
2人が考えている間、コンスタンティンはタツキの周りを歩いていた。
それを追うように私もタツキの背後に回り、タツキの制服に、追跡装置をつけた。

その時だった。

背後から銃弾が飛んできた。
タツキの心の臓を狙っている。
とっさに例のボールペンを出し、刃を出して銃弾を刃先に掠らせる。軌道が変わった。
幸い向こうの木に当たったが、とっさに守りを選択した自分が分からなかった。

「どういう、ことだ?」

私の他にもアサシンが雇われている?一体何故?何の為に?何の目的で?

「翼君どうしたの?」

タツキが心配そうに聞く。
焦りが顔に出てしまったのか。

「なんでもないですよ。あ、そういえば俺今日早く帰らないといけないんでした。ほら、部室戻りましょう。」

取り敢えず、2人を部室に戻し、早めに部活を切り上げさせた。

彼を殺すのは、私だ。
誰にも渡しはしない。

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