『虹色デイズ』

□『第3話』
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ここはC&B。時刻は21時をまわっている。


『そろそろ、帰ったら?君たち。』


夏樹達4人も含めた男子生徒達はお洒落な雰囲気にテンションが上がりっぱなしだ。


学祭が終わってから夏樹達のクラスは打ち上げに行く予定だった。しかし、時間も時間で女子達は帰り、残った男子がふらふら徘徊(?)しているうちに、このC&Bにたどり着いたらしい。


先程まで隣にいた恵一も、ひよりが飲んでばっかでかまってくれなくて、今は夏樹達のもとで一緒なって盛り上がっている。


「…オーナー、結構飲んでるっすね。大丈夫すか?」


『珍しい、亮くんが優し。ねぇ、あの子達にお酒飲ませてないよね。』


心配したにも関わらずひよりの相変わらずの返しに亮の額には青筋が浮かぶ。


「もちろんですよ。」


草津はいつものように穏やかな声で肯定する。


そこに夏樹がやってきて少し聞きにくそうに言った。


「ひより先生、俺達の間で話題になってたんだけど、金髪のバーテンの人って、先生の彼氏、ですか?」


『…あの可愛いなっちゃんまで。』


ひよりからの返答は何とも答えになっていなく、代わりに亮が口を開いた。


「まさか、ありえないっすよ。この人はサボってばっかだけど、ここのオーナーだから。」


それに驚く面々。勿論智也は最初から知っていた。


『さぁ、子供は帰りな。今すぐ帰らないなら…智に私をお姫様抱っこして家まで送ってもらうよ。』


げっ!という顔をする智也と、いつもの学校とは少し違う感じのひよりに新鮮さを感じる男子達。


「俺、オーナーが教師しかも養護教諭やってるなんて、やっぱ信じられないっすわ。保健室の先生って、もっとこう、優しい感じなんじゃねぇの?」


『今は学校外だし勤務時間じゃないから先生になる必要ないでしょ。それに、ここは私のテリトリーだから。』


そう言って何杯目かわからないカクテルを一気に喉に通す。


カラン…


ドアのベルの音にうるさかった店内が一瞬で静かになった。


何事かと視線を向けると、今にも怒り爆発しそうな教師、片倉優二の姿が。


『あ、優二。遅いよ。』


「…これはどーいう事かな?松永先生。」


『ちょっと、怒らないでよ。私はちゃんと帰るように言ってるよ。君たちも優二に怒られたくないなら早く帰りな。』


その言葉でそそくさと店を出ていった生徒達。


店内に残ったのはひよりと優二だけ。


少しの沈黙…。
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