『デュラララ!!』

□『第5話』
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話を終えて静雄の方を伺って見た。


静雄は必死に怒りを抑えているような表情をしていた。


『…貴方が怒ることないじゃない。』


「っ、なんで今までそれを1人で抱え込んでたんだよ!!」


泣きそうな顔で絞り出すように言った静雄を見て、涙腺は意味をなさなくなった。


『っ、だって、私は化け物よ?!言える訳ないじゃない!それに、人間じゃない今の私を愛してくれる人は、、、もういないわ。』


思わず感情的になってしまった。


今の言葉で静雄を傷つける事はわかっていたのに。
























『ごめんなさい。』


「何で謝んだよ。あとなぁ、おまえを愛してくれる人はいないだ?じゃあ俺は人じゃねぇって言うのかよ。俺は化け物ってか?」


『っ違う!あなたが化け物なんて思わない!』


この言葉に静雄は少しホッとしたように顔を緩めると、私を優しく抱きしめた。


「俺も同じだ。ひよりを化け物だなんて思わねぇし、嫌いにもならねぇよ。なんたってお前は俺の姉貴だからな。」


いつもよりか優しい口調で言う静雄の言葉に涙が止まらなくなった。


それと同時に心がスッと軽くなったような気もする。


『ありがとう、、、、、ホントありがとう、静雄。』


普段、自分よりずっと先を歩いている姉が、ありがとうと繰り返しながら泣いているのを見て、静雄は少しだけ嬉しく思った。








―――――――――――――――――



静雄にマンションの前まで送ってもらった。


その時、カーテンの隙間から臨也が見ていた事は知っていた。


静雄の言葉で少し心が軽くなった、しかし、臨也はどうだろうか。


彼は人間を愛している。


人間じゃない私は、彼の好意の対象に入らない。


人間じゃない私でなくとも、人間の女性はたくさんいる。


私は彼に捨てられてしまうのだろうか。















ドアの前に立ち、鍵を開ける際に手が震えた。


リビングに行ってみると、いつものようにパソコンの前に座っている臨也が目線だけを私に向けた。


「遅かったね。疲れてるだろ?寝ていいよ。」


『…遅くなってごめんなさい。おやすみ。』


返事は返ってこなかった。


それどころか、彼が私に視線をうつしたのは最初の1回だけ。


その時、彼の視線からは一瞬の嫌悪感が感じられた。








あぁ、彼はもう知っているのかもしれない。


この切り裂き魔事件の黒幕とも言えるような彼は、全てわかっているのかもしれない。


寝室に入ると、力が抜けて崩れるように座りこんだ。












































涙が止まらなかった。






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