『銀魂』
□『第7話』
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「ひより様、また無茶をしたらしいっすね。晋助様の部屋の前で力尽きて倒れるなんて、見つけたときほんとに血の気が引いたっす。」
朝ごはんを食べながら何やらまた子に小言を言われる。
『思ってたより毒が廻ってて、ごめんね?今度から気を付けるよ。』
ニコニコしながら謝られても説得力に欠ける。
「大体、いつも手ぶらでどうやって戦ってるんすか。」
『気になる?』
「はい!」
また子のキラキラした好奇心の視線を受けてひよりは立ち上がった。そして、深いスリットから思わず吸い込まれそうになる色白の足を出す。
すかさず周りの男どもの視線が集まる。食い入るような視線が集まる陶器のような極め細やかな太ももには、大量のクナイが隠されていた。
「凄いっすね!!ひより様って、クナイで戦うなんて忍者みたいっす。」
『本当は刀が一番戦いやすいし、慣れてるんだけどね。』
じゃあ何で刀を所持していないのか、また子は疑問に思う。
「ひより、食堂で得物ちらつかせんじゃねぇよ。それより、お前にいい知らせだ。」
神威を後ろに引き連れた高杉が食堂に入ってくるなり、少し張りつめた空気になる。これが総督の威厳。また、春雨の神威がいることも大きい。
『いい知らせって?』
「罪華を見つけた。次の星にある。」
『あら、探してくれてたの?』
「俺が探さないと、お前はいつまで経ってもそんな小せぇ刀を使ってただろうよ。」
高杉とひよりの会話の内容は分かりにくいが、神威は何となく理解したようで、会話に割り込んでくる。
「ひよりは罪華があれば今よりも強くなるの?どのくらい?」
ひよりにズイズイと顔を近づける神威の頭にはピョンピョンと動くアンテナ。 ひよりはそれを可愛く思いながら、頭を撫で、神威の疑問には高杉が答えた。
「今の数倍、いや数十倍は強いぜ。神威、お前は手も足も出せなくなるぞ。」
高杉は決して神威が弱いと思ってるからこんな事を、言うのではない。また、ひよりが強すぎるから言うわけでもない。只、“罪華”という刀の特性なのだ。
恐怖と痛みを感じてしまったら最後、どんな立場にあろうと精神を支配されてひよりに絶対服従。
最も、神威に恐怖を与えることができるのかはわからないが。