『ONE PIECE』
□『第8話』
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現在、ヒヨリは海の上にいる。
正確には海を泳いでいる海王類の上だ。
しばらく進むと黄色い潜水艦が視界に入った。
『ここでいいわ、ありがとう。』
{では、我は失礼する。}
海王類はヒヨリを潜水艦近くの海に降ろした。
ヒヨリは沈む事なく、海の上を歩いて潜水艦に向かった。
『っ!!』
あと3bというところで何かに引き寄せられる感覚に陥った。
気が付くとローの腕の中にいた。どうやら能力を使ったようだ。
「よぉ。」
ヒヨリは頭上から聞こえる何時もより低い声に少し体を固めた。
『…ただいま?(苦笑』
「お前なぁ……」
ローが呆れた顔で何かを言おうとしたところに、ベポ、ペンギン、シャチが足音を響かせて駆け寄ってきた。
「「「お嬢/ヒヨリ!!」」」
「ヒヨリ、遅いよっ!」
まずは、ベポが泣きながら抱きついてきた。否、体当たりをしてきた。
当然、ベポはすぐさまローに剥がされた。
「お嬢!マジで心配したんだぞ!」
「・・・お嬢。」
シャチは凄い勢いで怒ってくるし、ペンギンに至っては無表情だ。
正直、ペンギンが怖い。
『ご、ごめんなさい。手配書の写真撮り直してもらいに行ってただけよ。』
心配させてしまった事に対して謝ったヒヨリだったが、やはり大袈裟よ、とでも言いだしそうだ。
「お嬢、アンタは強いのかもしれない。だがな、それ以上に狙われてんだ。」
「船長にも言ってかないで!これからはすんな!!」
「キャプテンも心配してたんだよっ!」
((こんなにも心配させてしまったのね…。))
『約束までは出来ないけど、これからはちゃんとローくんに行ってから行くわ。』
ヒヨリの言葉に納得はしてないみたいだったが、これ以上言っても無駄だと思い3人はローに任せて自分の持ち場に戻った。
3人が行ったのを見送ると、ヒヨリは一息ついたが、まだだったとでも言うような顔をしてローを見上げた。
『ローくん怒ってる?』
ローはヒヨリの問いには答えず、腕を引っ張って部屋に向かった。
((ローくん、完全に怒ってる。それにしても、ペンギンって怖いのね。))
無言で前を行くローに引っ張られながらヒヨリは呑気な事を考えていた。