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□君の声が聞こえるから
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『ギョンスヤー』
『』
『ギョーンスヤァァ』
『』
『ギョンスヤっ』
『』
『ギョンスヤぁぁぁぁ』
『』


みんなが「また始まった」とばかりに顔を見合わしている。



『ぎょーーーんすやぁぁぁぁあ』
『………』
『お、振り向いたっ』



振り向いたはいいけど、
返事はなく、ただじーっと俺の顔を見つめるギョンス。



一見ギョンスの態度は俺に冷たいって思う奴もいるかもしれないけど、
それは違うんだ。


__知ってる。
これがギョンスの返事なんだってこと。
決して悪意からやってるわけじゃないこと。
ギョンスなりのおふざけなんだってこと。
でも実は俺のことウザいって思ってること。←


これでも最近は丸くなったほうなんだ。
写真もちゃんとカメラ目線で笑ってくれるようになった。
(注意:ペンに見せるって前置きが必要)
(前置きがなかったツーショット写真に関しては全てにおいて無表情&カメラは見てくれない)


でもでも俺はめげたりしないし、
ギョンスが反応してくれるまで、俺はギョンスの名前を呼び続ける。


第一に俺はそんなギョンスが大好きだし、
俺のする行動がどんだけギョンスにとってくだらない事や
興味のない事でも、結局すべて受け止めてくれるんだ。


俺は一生ギョンスの側に居たいし、
きっとギョンスもそう思ってくれてるはずだ。
一度もそんなこと言われたことないけどね。
あ、番組ではあるか。



でもある日のこと。
久し振りに俺らは喧嘩をした。




『なーなんでそんな怒ってんの?俺なんかした?』
『……わかんないわけ』
『わ、わっかんねーから聞いてんの!!教えてくれてもよくない!?』
『やだね』
『はぁぁっ!?なんで!?昨日まで普通だったじゃんよ!』
『そのちっさい頭で考えろばーか』
『…ば、ばかって……待てよ話し合おうって』
『ウザい近寄るな』
『ぎょ、ギョンスヤ……』
『お前なんか嫌いだ。しばらく僕の事呼ぶな。』
『』




ビルの10階から落ちてきたでっかい石が俺の頭に直撃して、
押しつぶされたような衝撃だった。
「お前なんか嫌いだ」「お前なんか嫌いだ」「お前なんか……」


〜〜〜〜なんでだよ…っ!!!
俺はこんなにギョンスのこと愛してるのに!!!
俺が何したっていうんだ…
ちゃんと靴下は裏返しに脱がなかったし、脱ぎっぱなしにもしてないぞ?
あんまり公でギョンスギョンス言うのも控えてるし、
セックスは公演最終日にするって約束も守ってるし、
〜〜〜〜いったい何がダメだったんだ……!!!



〜〜翌朝〜〜



『ヒョン、電話鳴ってる』
『』
『ヒョン起きて!ほら、ギョンスヒョンだよ!!』
『!!!』


ギョンスからだと聞いて飛び起きた俺はすぐに通話ボタンをタップする。




《もしもしチャニョラ?…寝てた?……昨日のこと、ごめん言い過ぎた》



ギョンスヤ……
ううん、良かった俺本気でギョンスヤに嫌われたかと思った……。
でもなんであんな怒ってたの?



《……チャニョラ?聞こえてる?もしもし》



ん?聞こえてるよ?
もしもーし!ギョンスヤ?
………あれ?



《チャニョラ?寝ぼけてる?》



違う!寝ぼけてなんかない!
ちゃんと聞いてるよ!!!



《寝てんの?……いいや、またかけ直す》



ギョンスヤ…!!!


虚しく通話が終わってしまった。



『チャニョリヒョン?なんで喋んないの?
せっかくギョンスヒョンかけてくれたのに。
まだ昨日のこと怒ってんの?うわ〜〜大人げな〜い!!』


俺はセフニに向かって首を大きく横に振った。



『じゃぁ、なんで喋んないんですか。』


喋らないんじゃなくて、喋れないの!!!!



『〜〜〜〜〜〜!』


俺が喉を指して身振り手振りでジェスチャーするのを、
セフニは首を傾げて不思議そうに見ていた。




『?…なんかの遊びですか?』
『〜〜〜〜〜〜!!!(ちが〜〜〜〜う!!!)』




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