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□マンネはヒョンの為に。
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『…ヒョン重いです』
『いーじゃんかよ〜高さがちょうどいいんだよ〜』
『チャニョリヒョンに見られたらまたヤキモチ焼きますよ』
『……わかっててやってんのー…』
『もー僕が怒られるんですから… 』





その人は
今日も僕の肩に寄りかかって
くつろぐ



彼氏に構って欲しくて
僕を利用してる事くらい
気付いてるよ




『あ、ほらチャニョリヒョン来た!』
『………ふーんそーなんだ』
『ヒョンってば』




好きな人には
なかなか自分から甘えられない
素直になれない

____________そういう人。



ヤキモチを焼かせて
存在価値を見出すような、そういう人。



そんな事しなくても
愛されてるのにね?


この僕にだって______





チャニョリヒョンは
リビングで僕に密着して寄りかかるベッキョニヒョンを見たあと、
ギョンスヒョンの名を呼びすぐに出て行ってしまった



僕の肩に置かれた頭が一瞬強張り、
腰に回されてた腕に力が入った




『ヒョン…?』
『……………』



返事の代わりにまた一層強くなる力



きっと泣いてる
涙は流してなくても
心の中で。



僕はそんなベッキョニヒョンの手に
自分のを重ねた



もっと僕に甘えていい



そういう意味を込めて。








その夜




『せふなー、ちょっといい?』



そろそろ寝ようかとベッドへ入った頃、
ベッキョニヒョンが突然部屋をノックした



『いいですよ、どうしました?』



もう寝息を立ててるスホヒョンを起こさないように
静かに歩き、おもむろに僕のベッドへと潜り込んで来る



『一緒に…寝たい』
『ふふw ヒョン狭いよ』


僕の言う言葉なんて聞きもせず
ぎゅうぎゅうと密着してくる身体



昼間の事があったから
今日は仕方無いか…



『落っこちないでくださいねw』
『ん』



ヒョンが目をつぶってるのを見て、
自分も目を閉じた




『せふな…』
『?』
『俺、ちゃのりと付き合うの…疲れちゃったかも……』


ぼそっと小さな声でそう呟いて
僕の胸に額をすり寄せた




…………この人は、本当にチャニョリヒョンが大好きなんだ



あの人が好きすぎて苦しんでる



できるなら僕がこの人を幸せにしてあげたい
その苦しみを取り除きたい


そう思うけど
この人を幸せにできるのは僕じゃなくて、あの人



例え僕があの人から奪っても、
この人はチャニョリヒョンから離れることはできないんだ




わかってる。
だからこういう時はベッキョニヒョンの気が済むまで、
黙って甘やかしてあげるんだ




『……疲れちゃった時だけ
僕の所に来てください。
いくらでも添い寝します』



静かに頷いた




僕は愛しいこの人の心の拠り所に
なれればいい



優しく頭にキスを落とし、また目を閉じる




すると胸に埋まっていたヒョンが動き出し
今度は僕の瞼にキスをした



『おやすみ、せふな』
『おやすみなさい』




きっと明日目が覚めたら
チャニョリヒョンに呼び出しを食らうだろう


でも脅してやるんだ


チャニョリヒョンの代わりに僕が貰う事も出来るって。




実際はまったく適わないんだけどね…w







Fin♡

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