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□学校生活の教え
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『副会長ー』
『はい』
『このままどっか行こうよー』
『…どこに』
『どっかはどっか!ドライブドライブ〜♪♪』
『__ダメです』
『えぇぇ、連れてってよー!バイク楽しー!』
『うるさい』
『』
『……………学校終わってからなら』
『えっ。』


本気混じり冗談混じりで
駄々こねたんだけど、


放課後会う約束を取り付けてしまった…





放課後は生徒会の集まりがあるらしく、
それが終わるまで待つことに


なったはいいけど。



…どこで待てばいいんですかね。
副会長の連絡先知らないし…
生徒会がどこで集まってんのかも知らないし…


朝は普通に話せるんだけど、なんか教室だと話せないんだよね。
副会長も話しかけて来ないしさ…。



まいっか。昇降口で待てば。


暇つぶしにゲームに没頭するも
すぐ飽きる。
………暇だ。


でも俺は副会長とのドライブが
楽しみで、ただひたすら待った


風を切って走るバイクももちろん気持ちいいから好きだけど、
単純に副会長と放課後遊ぶことにワクワクしていた

もっと副会長がどんなやつか知りたい__
そう思い始めていた。
正直友達にこんな興味を持ったのは初めてかもしれない。



あー
何時頃終わるとかも聞いてないしなー



階段から声がする度
期待して振り向くけど
今までのは全部裏切られた



笑い声とともに
足音が聞こえ出す



またハズレ、かな



『ヒョン、だからさー』
『ふw しつこいw』
『ジュンミョニヒョン、鍵閉めましたか?』
『うん、職員室鍵返してくる』
『お願いします』
『ヒョン下降りてんねー!』
『はーい』


あ、さっきの低い声…………



遠かった話し声は
段々近くなってきて、
俺は下駄箱の影から身を乗り出して
階段の方を覗きこんだ



やっと来た!

そう思い立ち上がるけど
すぐキムジョンインが見えて
何故かまた座り込んでしまった


またあいつと一緒なんだ…。



『じゃあジョンイナ、僕約束あるから先行くね』
『ん、ギョンスヒョンまた明日ね』


お、来るかな…?


再び声のする方を見ると
キムジョンインが副会長に何か耳打ちしている。


それを聞いた副会長は
頷きながらあのハートの口で笑いかけ、
手を振って別れたあと
こっちへと向かった。



この前と同じ、
なんとなく気に入らない気持ちを再び味わう




『パクチャニョル』


お待たせ、とローファーに履き替えた副会長が傘立ての上に座る俺に声をかけた


……あいつはジョンイナ呼びなのに
俺はフルネームかよ



『待った?』
『……うん』
『行こっか。』
『……うん』
『怒ってんの?』
『………………連絡先…』
『ん?』
『知らないじゃん。』


別に怒ってはいない。
ただ気に入らないだけ。
なんで気に入らないのか、自分でもわからないしうまく伝えられないから
連絡先の話で誤魔化した


何だそんなことか、
後で交換しよ?と
バイクの方へと歩き出す副会長


『どっか行きたいとこある?』
『ううん』
『じゃーとりあえず走らせる』
『ん』



なんとなく副会長に掴まるのに
気が引けて
控え目にシャツを掴んだ



『…危ないってば』


そう言ってまた
あの力強い手が俺のに触れて
強制的にお腹に回される


副会長の背中がすぐ目の前にあるのに
俺はさっきの耳打ちのシーンと、副会長のあいつに向ける笑顔ばかりを思い出す


バイクが走り出して景色が
素早く変わり始めるのに
身体に当たる風にいつものような気持ちよさは感じられなかった


その代わり胸を掴まれたような
ちょっとした息苦しさを感じ、


ヘルメットを目の前の背中に押し当て
到着を待った







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