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□学校生活の教え
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2限が終わり教室に戻って自分の席に座る


辺りを見回して探すのは
副会長………。



………居ない。



同じクラス、のはずだよな。
大体副会長は選択何取ってんだろ。


そういえばバイク停めた所ってこっちかな。



廊下に出て窓の外を見上げる_



____あった。
ほんとに注意しないとあんなとこ気付かないな。
きっと職員室からも死角になってる


にしても生徒会が
バイク通学かよ
バレたら停学なのに。


でも何台か停めてあったから
他にもバイクで来てるやつがいるんだな。
ぜーんぜん知らなかったわ。




ボーッと見上げたままそんなことを考えていると、雑木林にチラッと人影が見えて目を凝らす



副…会長…?
と、あともう一人。


あー、あいつ知ってる。
後輩の…えーと。
キム……ジョン、イン?だっけ
ダンス部で有名なやつだ



遠くからでも楽しそうに話してるのが見て取れた。


……仲良いいんだ__



なんとなく気に入らない気持ちは
気付かなかった事にして教室に戻った



予鈴が鳴り続々と教室に戻ってくる生徒達の中に紛れて、副会長を見つける


どこに座るのかと目で追ってくと
俺の席の3つ隣だった。
横列が一緒だからあんま印象がなかったのか…
納得。
副会長もちっさいしねw


…あ。


俺の視線に気づいたのか
目が合う
今度はクスッと笑われた


くっそ。
腹立つ。
優等生かと思いきや
バイク乗ってるし。
(俺まだ免許持ってないのに)
無表情で上から目線だし。
(背はちっこいくせに)
学校の人気者(キムジョンイン)と仲良いし。
何よりあの笑い方が気に食わない。



あー不貞寝しよ不貞寝。
授業なんかくそつまんねぇ










あれから自然と副会長の動きを
目で追っていたが、何かしら気に入らないので
出来るだけ不貞寝をして目を合わせないようにした


でも副会長は
毎日俺を公園まで迎えに来たんだ


おかげで1週間無遅刻。


お前どうしたの?大丈夫?
急に真面目?w
と、ベッキョンに心配される始末

俺だって来たくて来てるわけじゃないよ。

無理矢理連れてこられるんだから
仕方ないだろ



週明けの月曜日__
今日は流石に来ないだろ。
いつもの芝生に向かう



と、



今まで人が居たことのない
俺の指定席に誰かが寝っ転がっていた



ちょっとずつ近づくと
まさかとは思っていたけど
そのまさか。



『はぁ…。副会長……。何してんの?』
『あ。ため息ついた』
『つきたくもなるよ。まさか今週も無遅刻にする気?』
『そうだよ?いいことじゃん』
『………』



毎朝顔を合わせ
言葉数は少ないけど、
ちょっとずつ副会長のことが分かってきた


無口なこと、毒舌なこと、
マイペースなこと、
ちょっと照れ屋なこと。


そして
身長差のせいで
いつも上目になる大きな瞳に


吸い込まれそうになる俺……。


今も寝っ転がったまんまきょとんって顔する副会長に

少しキュンってしたのは内緒な。



ニヤッとまた例の顔で起き上がると
行くよ、と俺の手を取り歩き出した



『なぁ、なんでこんな毎日迎えに来んの?俺頼んでないし。』
『うん』
『うんじゃなくて。』
『うん』
『あ゛ぁぁもぉなんだよ!俺ひとりでいたいの!選択英語やなの!』
『ははw 知ってる』
『やめないとバラすぞ』
『なにを』
『バイクのこと!』
『んーお前も乗ってるじゃん毎日』
『そんなん無理矢理って言ってやる』
『っそ。生徒会役員と出席率足りないお前と
どっちが信じてもらえるかね?
まーお好きなように』
『〜〜〜〜っ!ほんと腹立つお前!』
『ふふw』
『なんなのお前?』
『んーーー。友達!』


立ち止まって斜め後ろに振り返り
ニコって笑顔


……………っ。
口がハート……………。






何故かご機嫌な様子の副会長に連れられ、
今日もしっかり
1限から授業を受けるのだった







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