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□You read my………
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構内のベンチに座り
この前見つけた
借りたばかりの本を読む


俺らの待ち合わせ場所のここは

陽が差し込みポカポカで
心地いい、お気に入りの場所




時計を見る


読み始めて20分…
もうこんな時間じゃないか。


あと5分したら行こ。



また本に目をやると
遠くからよく知った声が
聞こえ始める



『おー、んじゃまたな!!』


来た来た…



『ギョンスヤー!!』


少し遠くから眩しい笑顔で
手を振りながら現れたあいつ。



『遅い!』



パタン、と本を閉じて一喝。



『あと5分したら行こうと思ってた』


『ごめんごめん!
まだ余裕だから大丈夫だって!』


そう言うと
横から俺の腰を引き寄せ
耳元にリップ音

ちゅっ


『っっばっ////////
何してんだよ!!
見られてたらどーすんだ!!!!』


『誰もいないの確認済みですーw』


悪びれもせず笑顔で言ってのける
俺の恋人、チャニョル。



チャニョリとは
同じバイトで知り合い、
実は大学も同じだったと気づいて
そこから意気投合。


色々あったけど、
友達以上恋人未満の関係を脱し、
今はお互い想い合い付き合っている


いまだに同じバイトで、
今日も同じシフト。



バイトが終わった帰り道____



反対方向のはずの
チャニョリが当たり前のように
横にいる

俺が一人暮らしな為
泊まりに来る事が多い。

俺が片想いの時は
こんな状況になるだなんて
夢のまた夢だったから

内心すごく幸せで。
逆にチャニョリのいないアパートに居るのが寂しいくらい。



なのに。


『.......ねぇ、なんでこっち歩いてんの。お前向こうだろ。』



これだ…




来てくれて嬉しいのに

嬉しい事を嬉しいと
素直に言えない


嬉しいと思うほど
それと逆の態度を取ってしまう。


にしても他に言い方あるよな。



『..............行かない。
来て欲しくないんでしょ。帰る。』




『……えっ』




やば。怒らせちゃった…?


不安になってチャニョリを
見上げる__________



『ぶッwwwwwww』


え?


『ギョンスwww

クソ可愛いwww

嘘だよぉぉぉwww』


は。


『来て欲しくないオーラ出しといて行かないって言った瞬間の
その顔!!!!w
ウケるやめてw萌え死ぬからwww』


..............ッ


くっっそぉぉ////////
騙されたっ/////////


顔が熱い
耳まで真っ赤なはず。

あーーーーーー恥ずかし!!


『あっはっはw
真っ赤www』



腹かかえて
爆笑してますけど…



騙されて悔しい反面
来てくれる事にほっとしてる。





ガチャっ


『ただいまーーー ンッ..... !?』




玄関に入るやいなや
チャニョリにドアに縫い付けられ


深く口付けられる


『......…ふ、ちゃ、にょら…?』



『…ギョンスが……可愛い過ぎるのが、いけないんだからね。』


チャニョリの整った真剣な顔に見とれていると、視点が合わなくなり
また唇が合わさってると気づく。



『…ちょ、やめ......』


『.......やめない。このままシよ』


『っ……き、のう…も』



『…うん…今日も、する。


.......嫌?』




『..............嫌。』



嘘。
嫌なわけ無い。





『…嘘。嫌なわけ無い』



え。




『俺とシたいって
顔に書いてある』



そう言ったチャニョリの顔は
優しく目尻が下がっていて



愛しいものを見る時の
まさにそれ、だった。


…っ


『ちゃにょら.......』



あぁ、今日もチャニョリに愛してもらえる。


俺の素直になれない性格を
一番理解してくれて
尊重してくれて


今みたいに
俺の心を読んじゃうんだ




だからこそ一緒にいて
一番安心する存在_____


明日が休みでよかった。




『チャニョラ…。』



『?』



『あ…......あー….』



『??』



『〜〜っ.......なんでもない!!』




『?????』




まだ口に出して言うのは
ハードルが高いけど…


近いうち伝えるから______



愛してるよ。









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