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□抱き枕
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『ギョンスヒョーン』
『ん?』
『今日一緒に寝たい』

そろそろ寝ようかと思ってた頃、コンコン というノックの音で、セフニが枕を抱えて部屋に入ってきた。


『あ!セフナ!
今日ヒョンは俺と寝るの!』

同室のジョンイニが
僕を後ろから抱きしめる


『そうなんですかギョンスヒョン』
『…いや、…』

聞いてないしその話。
それに正直一人で寝たいよ。

『大体お前最近ギョンスヒョンに近いんだよ!昼間も独り占めして夜もだなんて許さないからな!』
『えぇぇぇーギョンスヒョンと寝ると落ち着くんだもん!』
『そんなの俺もだし!とにかくダメ!ヒョンは今日は俺の!』

しゅんとなるセフニ、とは対照的に勝ち誇った顔のジョンイニ。
でも悪いけど僕は誰とも寝ないよ。
ジョンイニの腕からするりと抜け出す。

『2人とも、僕疲れてるから1人で寝る。また今度にして?』
『『えぇ!?』』

ちぇっと、言いながらドアに向かうセフニ。だけど急に振り返る。

『ね!ね!じゃあ寝る前のちゅーしてください!』
『『はぁ!?』』

ジョンイニとハモってしまった。

『ねぇいいでしょ?してくれたら自分の部屋帰りますから!』
『じゃー俺も!ヒョン!俺もして!』

『……ぷっっ』


うちのマンネ組はなんでこんな甘えたさんなんだ。
でもそんな所も許せるのは
やっぱり可愛いから。

_チュッ_

_チュッ_


少し屈んでくれた2人のほっぺに
ちゅーをした

『はい!これで満足?
部屋戻って!お休みセフナ』
『ふふ♡
お休みなさーい!』
『ジョンイナも!ベッド入りな!』
『ふふふ♡はーい♪♪』


よし、これでゆっくり寝れ……


『ギョンスヤァァァ!!!』
『!?』

騒音と共にドアが開き、ビクッとする。
この低い声は……

『……チャニョラ。』
『お〜ギョンスヤァ〜♡』
名前を呼びながら
手を広げ、ガバッと僕の掛け布団ごとハグされる。
『一緒に寝…』
『ない』
『えっ』
ベッドの上で抱きついたまま、目がパチパチしてる
『だから寝ない!今日は僕一人で寝るから』
『…えぇ〜』

一気にテンションが下がるチャニョリ。

『そうですよ〜ニョリヒョン。俺もセフニも断られてっからね。』
『!…そうなのか!お前ら油断もスキもねーな!!ギョンスヤは俺のだっつの!』
『………………。そんなの僕認めてないし。ほら、自分のベッド行って。』

シッシッと手で払う仕草をしてチャニョリに背を向ける


『くっそー俺の抱き枕ぁ〜…』


………(怒)
僕は物か。
腹立たしいなまったく。


『明日は一緒に寝よー?ギョンスヤー。なぁ〜?なー。なぁってばー。ギョンスぅ〜。おーいギョンスヤー。ウリギョンスヤー。ぎょん…』
『うるさい。寝ろ。電気消せ。』
『ひぃ』


諦めて静かになったチャニョリが電気を消し、やっと安眠に入れる。


__________


『…ん…?』

モゾモゾ後ろで動いたと思ったら、ギュッと抱きついてくる誰か。


…これは…………


『ハァ……ベッキョナ…………』
『ん!ギョンス一緒に寝よー♪』


気持ちよく寝てたのに……!
犬っころみたいな人懐っこい笑顔でそう言うと、僕の背中に自分の頭をすり寄せてくる。

もう断るのもめんどくさい。
みんなで僕の安眠の邪魔しようとして…!


僕がちっちゃくて(みんなよりは)ぷにぷに(みんなよりは)だからって抱き枕にしすぎ!今に鍛えてゴツゴツになって抱き心地悪くなってやる…!
そもそも断る理由がないからって一番最初に許しちゃったのが間違いだった。今更後悔しても遅いけど。









翌朝______



C『ん?あれ!なんでベッキョナここにいんの!?』
B『…んー…??ふぁ〜。ぎょんすとぉ、寝ようと、思って………』
C『ギョンスヤ居ないけど!?!?』
B『はっ?…………まじだ!』


C『ギョンスヤーーー!』
SE『しー!ニョリヒョン声大きいです!』
C•B『!?』
SE『…朝起きたらこーなってたんですよねぇ…』
C『うわーまじかよ』
B『足絡んでんな…』
SE『ちょっとくっつきすぎですよね』
C『しかもギョンスの方からな!』
B『スホヒョンもまんざらでもない感じ?相思相愛??』
SE『昨日みんなを断ってねー、』
B『結局俺らよりスホヒョンかよー』
C『くやしーーー!俺のギョンスヤぁ(泣)』




皆があまりに言い寄ってくるから逃げただけだよ。
僕が唯一甘えられるのはスホヒョンだけだもん。







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