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□Blue
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いつも通りチャニョルと俺を含めた仲良しグループで昼飯。

他愛のない話で盛り上がってると



...♪*゚...♪*゚...♪*゚



通知の音で
あいつがケータイに夢中になる


あの告白してきた後輩の子と、チャニョルはよく連絡を取り合ってるらしい。


俺は他の奴らと喋りながらも
横目で様子を伺ってた
フッて小さく笑ったその優しい表情に、俺の胸は掴まれたように苦しくなる。



『なーベッキョナ、今度買い物行かね?服欲しくてさ』
『おぉいーね、俺もバイト代入って金あるし♪♪』


…その新しい服でデートでもすんのかな。


............



…………ハァァァァ自分で嫌な事想像して落ち込んでんだからしょーもないよな。




『今度の土曜は?バイトある?』
『ない!じゃー決まりな!』









予定通り待ち合わせして
ショッピング街をブラつく



...♪*゚...♪*゚...♪*゚



『あの子とどーなの?』



頻繁に通知が鳴って、その度チャニョルも返してるから聞いてみた



『うん、すごくいい子でね、
……付き合ってみてもいいかなって思ってる』
『………………』
『ベッキョナ?』



やべ、一瞬目の前が歪んだ
付き合う、ってこと、か?



『まじかよ!よかったな!う、上手くやれよ!』



精一杯笑顔で言った



そうだよな、連絡続いてるって事はお互いにいいって思ってるからだし。



その後何軒か店回って、アイス買って公園のベンチで休憩することになった。
本当だったら喜ばしいチャニョルの恋人になります発言を、必死で肯定しようとモヤモヤ考えてたから、どの店行ったかとかチャニョルとどんな話しただとか全く覚えてない。




ただ鳴り続けるあいつの通知音に、段々と腹が立ってきていた。





チャニョルは、今、俺と居るのに。





『…あ、なぁベッキョナ、あの子がこれから会わないかだって。ちょうど近くに友達と居るらしいよ』
『……………』
『ベッキョナ?向こうも友達とだから、ベッキョナも一緒にって!』
『……………』
『ねぇ、』
『....…………行かない』
『....ベッキョナ?なんで?行こーよ!なんかあった?ベッキョナ全然元気ないから』
『行かねーつってんだろ!!』



強い口調に
あいつが驚いてるのわかる




『ベッキョナ、、俺、なんかした?』
『………』
『…なんかしたなら…謝るから』
『………』
『ごめん、』
『…っ理由わかんねーのに謝ってんじゃねーよ!さっさとあの子んとこ行けばーか!』
『…ベッキョナ………泣いて、るの?』
『ひっ……ぐぅ…っふ…』




そう言われた時にはもう遅くて。次から次に溢れてきて止められない。声出して泣くのなんて、子供の時以来だ。
みっともなくて恥ずかしくて
手で顔を隠そうとしたのに、それはチャニョルの無駄にデカい手で阻まれる。



『ベッキョナ、』
『…ふっ…く…』
『ベッキョナ、…俺のこと好き?』
『…っ』
『ねぇ、好き?』
『…好きじゃねーよ!』
『ほんとに?』
『…………』
『ほんとに好きじゃない?
ならこれから会いに行っちゃうけどいい?』
『…………』
『....………ねぇ』
『…っなんで俺に聞くんだよ…っ!勝手に、しろよ……っ』




掴まれてた手が離れ、あいつがケータイを取り出し電話をかけ始める




『あ、もしもし?
うん、悪いんだけどさ、もう連絡取り合うのやめよう。

……ごめん、他に好きな人ができてさ、その子の事大事にしたいから…

うん、だから今から会いに行けないんだ。…うん、ごめんね…

じゃ…』



『!?!?』


……
今、なんて?





『ベッキョナ、俺ね、ずっと好きな人いたんだけど、その子ね、大切な友達だったから、諦めたんだよ…

___だって男の子だったからさ』





静かに話し出したチャニョルは、真っ直ぐに俺を見ていて、俺もそれに応えるように見つめて聞く




なに、を…言おうとしてる…?




『男の子はふつー女の子が好きになるでしょ?だから、そいつもそうなんだ、自分はおかしいんだって。この気持ちは隠さなきゃって。


女の子に告白された時、連絡取り合う事にしたのは、そうすればふつーに戻れるかなって思ったから…』



今までの俺の気持ちを代弁してるかのようなチャニョルの言葉に
また涙が込み上げてくる




『ベッキョナ、』
『…ふ…うぅ…っ』
『ベッキョナ好きだよ』
『…っ』
『ベッキョナも、俺が好きなのかなって、さっき思ったんだけど…
違った…?』



ブンブン首を横に降る



『じゃぁ好きって事…?』
『ぅ…っ』
泣きながらも頷く



『ベッキョナ…!よかった…何勘違いしてんだキモいとか言われたらどうしようかと思った!はーヤバい緊張したぁぁぁ』




グッて引き寄せられて、周りの景色が見えなくなる
見えるのはあいつのTシャツの
変な柄だけ




『…ばかっ苦し…』
『…うん!』
『離れろ、よっ』
『…うん!』
『…離れてねーじゃねーか…っ』
『…うん!』
『…』



あいつの右手が俺の左頬に触れて、上を向かされる。
俺を捉えたチャニョルの目がゆらゆら揺れ、そのまま時間が流れる




『…なんだよ…』
『…ふふ。嬉しくて、』
『……そこは…………だろーが』
『えっ…?』
『そこは…っ、キスするとこだろーが!』




優しい視線と、沈黙に耐えられなくなり、あいつのシャツを掴み 引き寄せ、自分の唇を押し当てた



『…!?べ、べっきょな…』
『…......っ……』




自分でしといてなんだけど、
くっそ恥ずかしい



『…ふはっ……べく可愛い』



今度はチャニョルからのキス。




『…やばい!俺、
めっちゃ幸せ!!!!』




そう言ってまたぎゅうぎゅうと抱きしめられる






俺もめっちゃ幸せだよ…




恥ずかしくて言えないから
チャニョルを強く抱き返した



































































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