book
□あげない
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『ただいまーーー』
ってもう皆寝てるよな
俺は寝静まった宿舎の廊下を
物音を建てないようにそっと歩いて
自室のドアを開けた___
『うぉ!?』
そこにはベッドライトに照らされた
ギョンスがボーッと立っていて
てっきり寝てると思っていた俺は
心臓が飛び出る程に驚いた
『な、起きてたの!?』
慌てて小声でギョンスに話しかける
『……おかえり』
じーっと俺を睨みつけながら
低い声を発する
__ああ、裸眼だからね、
目つきも悪くなるわな
『…………ただいま……』
例のごとく上下黒の部屋着が
暗闇と同化して
顔だけが浮き上がって見える
どことなくホラーなオーラが漂うギョンスの隣を、
ビクビクしながら通り過ぎる
『わ!?』
急に引っ張られたと思ったら、
俺の体はベッドサイドに寄りかかるように座っていた
__いや、座らされていた
『……ちょ、ギョンス……?』
俺の胸ぐらを掴んで押さえつけ
上から見下ろす
ゆっくりと顔が近付いてくると、
俺の大好きなハートの唇が
俺のを包み込んだ
『……ん、』
___は、帰ってきて早々
これは反則………………
なに?
今日してもイイの?
ぱくちゃにょる稼働OK?
稼働しちゃう?しちゃうの??
『…ギョンスっ♡…!?いっ、…痛たたたたッ!?』
唇が少し離れたスキに
抱き寄せようとすると、
ギョンスの両手が
俺の両耳を引っ張って拒んだ
『いっ、イダダダダッ、な、ぎょんす!?』
わけがわからずギョンスを見つめると、
不敵にクスッと笑って
耳打ちする
『聞いてないんだけど』
___!?
『キスシーンあるなんて』
____!!!
『中国から帰ってきた時でも一言いえたんじゃない?』
………………
『ん?チャニョラ?』
___あ、っ
ギョンスは問い詰めながら
俺の首筋に舌を這わす
『んっ、ギョンス……、それ…って、もしかして、ヤキモ…』
『黙れ』
『…ンンっ』
また唇を塞がれた俺は
長い長いキスで骨抜きにされる
『っ、ハァ、う、ギョン、す、欲し……』
『…、は、あげない』
『ふぁ、』
『あんなの、キスじゃない、からな』
____?
『あんなの、キスのうちに入らない…、』
『……』
『チャニョラは、僕にしか、そんな顔見せちゃダメ、だからな…』
『……?』
『チャニョラは…、僕でしか…興奮しない』
______ッ
それってやっぱ
ヤキモチじゃん____っ
『く、、ギョンス……っ』
『……僕が欲しい?』
___欲しい……っ
今すぐ組み敷いて
ギョンスのイイトコだけ突いて
めちゃめちゃして啼かせたい
『あげない』
『う、ぁ』
『黙ってた罰』
『〜〜〜〜ッ』
俺はその後も、
キスだけという生き地獄で
ギョンスのヤキモチを消化したのだった
Fin♡