book


□学校生活の教え
5ページ/6ページ








『……ラ!チャニョラ!!』
『…えっ…?』
『えじゃないわよ!母さんも寝坊したらアンタも学校行ってないからびっくりしたじゃない!』
『…あ?え?何時…?…………あ…
嘘だろ!やっべ…』


母さんに起こしてもらうと、
いつもならとっくに家を出てる時間



……どうしよ
こんな時に寝坊なんて……!



昨晩、朝公園に行くか行かないかグチャグチャと考え、
そのうち考えるのを放棄して寝てしまったらしい…。


結局、結論出てねーし…!



今から行ったら副会長はいるだろうか…


いや…ちゃんと副会長は1限から出るからな…
いやいや…もしかしたら、待ってるかも…!



バタバタと支度を終わらせ
急いで公園を目指した












『………いない』






待っててくれてるかもと期待して
駅からダッシュした俺は、
虚しく息を切らして立ち竦んだ




…おかしいぞパクチャニョル




……居なくてガッカリしてる____
寝坊した自分にも腹が立ってるなんて





朝から来ていつも通り副会長と会ってたら、
昨日のようにまたキスされてたんだぞ。



これでよかったんじゃないのか?
副会長とは学校で会えるんだ。
迎えに来なくなるだけで、まったく会えないわけじゃない。




そうだろ?



それとも副会長とまたキスしてもいいと思ってる…?




ま、まさか
んな訳ない!ないない!




学校で顔合わせたら
まずなんて言おう、とか
またぐるぐると考えを巡らせ、
教室に着いたのはちょうど2限目が終わったところだった



探してないのに
ぱっと目に入る
サラサラの黒髪。
重めの前髪から覗く大きな瞳


『……あ』


目が合った


けどそれは一瞬で、副会長はすぐに目を逸らした




俺は話しかけられるタイミングを見計らうけど、声をかけようとして近づくとうまく逃げられてしまう



____完っ全に避けられてる。




でもこれはこの日だけじゃなく、
次の日もまた次の日も続いたんだ






副会長と一言も喋れてない……
目も合わなくなったし…



あの日のキスを思い出して
無意識に自分で唇触ってたり……
感触思い出してよからぬ妄想に走ったり……


いやいや、年頃の男の子ですから?
ふつーですよね?
あんな濃厚なのされたら誰だってね?



…………いや、ほんとは戸惑ってる。
だって副会長は男なわけで。
でもハートの口とか笑顔とか
おっきな目でキョロキョロしてるとことか
なんか萌えるっつーかなんつーかさ……そんな風に思ってるのは事実だし………





……また俺見て笑ってくんねーかな………





はぁ…………



『おーいチャニョルさーーん。
思いっきりため息ついてんじゃん』
『………………』
『おーい聞いてますかー』
『………………………………
…………はぁ』
『おい。俺の顔見てため息つくなよ』


休み時間に突っ伏してると
ベッキョンが話しかけてきた


『…なぁ、』
『?』



ベッキョンにこういう気持ちになったことがあるかどうか聞いてみた


『は?お前は今そういう気持ちってこと?』
『…………まぁね』
『ぶwww』
『笑わないで答えろよ……』
『wwwあるよ。』
『…じゃあその時どーした?』
『告白した』
『…』
『とーぜんだろ。好きなんだから。』
『………』
『お前もしろよグダグダやってねーでw』
『…………はぁ……』
『てめぇ またため息ついたな』



好き………………かぁ。



その時
急に教室がざわついたから、何事かと
みんなが見てるドアに俺も目を向けた



『…あ、いたいた。ヒョン!』


………キムジョンイン。


『ジョンイナ!』


副会長がジョンインに走りよってく姿を見て、胸が何かに押さえつけられたみたいに苦しくなり、2人から目を離した



俺…………重症だ。
ジョンインといる時の副会長を見るのが
前から気に入らなかったけど



理由がはっきりした





好き





好きなんだ



認めてしまえば納得が行く
“すき”
たった二文字で片付いた





で?
俺はどーすればいい?




どーしたい?



どーするべき?





……わかってる

ベッキョンのしたように。
俺は人生初めての告白の決意をした













次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ