賢者の石

□episode1
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窓の外からは鳥のさえずりが聴こえる。

もう朝だと言うのにこの部屋の主はまだ
目を覚まさない。

気持ち良さそうに寝息をたてる彼女の名前はレイルーチェ。

今日は彼女にとって大切な日である。

コンコンッ

「レイ、起きなさい
あなた今日でもう11歳なのよ。」

ドアの外からは母の声がする。

そうレイは今日で11歳の
誕生日を迎えるのだ。

先日ホグワーツからも入学許可書が
正式に送られ、9月から入学することになった。

「今日はお父様も一緒におでかけするんだからはやく準備なさい。」

『…はーい。』


レイの声をきくと母は満足したのか
降りてらっしゃいねと言うと行ってしまった。

レイはもぞもぞとベットの中を動いている。

『…まだ眠いのに。』

まだ眠い、しかし今日は誕生日で
家族で自分のものを買いに行くと
思いだしレイは準備をすることにした。





レイが降りると暖炉の前には沢山の
プレゼントが置いてあった。

『いっぱいあるわ。
お母様これ全部私に?』

「そうよ、沢山の方が
あなたに贈
ってくださったのよ。
朝ごはんまでの時間に開けてみたら?


『そうするわ!!』



花束にお菓子の詰め合わせポーチに
バック、かわいいものがいっぱいある。

『やっぱり誕生日は最高ね♪


あっこれ、ドラコからだわ。』


水色のきれいなリボンに結ばれた箱から
出てきたのは小さなダイヤのネックレスだった。

小さい頃からドラコとはよく遊んでいた。
いわゆる幼なじみといった関係である。

家族ぐるみで交流があり、父親同士も
昔からの友人らしい。


ちょっといじわるなところもあるが、
なんだかんだドラコは優しいとレイは思った。


ネックレスを気に入ったレイはさっそく
身につけ食卓にむかった。



「あら、素敵なネックレスね。」


『そうでしょう。ドラコからだったわ。』


レイはにっこり微笑む。



「えらく嬉しそうだな。
ならもう追加でプレゼントはいらないか?」

『お父様!!』

降りてくるなり、
いじわるな顔でからかう父親にレイはぷうっと
頬を膨らませた。


「冗談だ。
おはようレイ。お誕生おめでとう。」
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