番外編ーsssー

□大河内湊のお涙事情
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ーーとある休日。

名無しさん「…そういえば、湊先輩って泣いたりする事あるんですか?」

湊「お前は一体オレをなんだと思ってんだ」

名無しさん「…血も涙もないイジワル大魔王ーー」

湊「へぇ、そんなにオレに泣かして欲しいのか。どんな意地悪してやろうか」

名無しさん「す、すいません嘘です嘘!」

湊「嘘却下。記者として自分の言葉に責任を持て」

名無しさん「今は記者としてじゃなく、彼女として答えたんですけど!」

湊「ほーじゃあ彼女であるにも関わらずお前は彼氏であるオレに嘘つくのか」

名無しさん「くっ…」

湊「オレに口で勝つなんざポメ子には百年はえーよ。ーー大体、男はそんな簡単に泣いたりしないだろ」

名無しさん「まぁ…確かに…」

湊「お前はよく鳴いてるけどな、ベッドの上で」

名無しさん「!!なっ、それは湊先輩が…!」

湊「オレが?イイとこばっか責めーー」

名無しさん「わーーっ!!」


名無しさん(くっ…こうなったら絶対泣いてるところ見てやるんだから!)



***



秀星「ーー湊が泣くところ?」

名無しさん「秀星先輩だったら見た事あるかと思いまして…」

秀星「んー、そう言われてみれば湊が泣いてるところなんて見た事ないような…」

名無しさん「秀星先輩でもないんですか?」

秀星「思い出せる範囲ではないかなぁ。名無しさんさんが居なくなる事くらいじゃない?今の湊にとって泣くほど辛い事って」


名無しさん(それはそれで嬉しいような気もするけど…。そんなドッキリ仕掛けるなんてさすがに気が引けるな…)



***



名無しさん(はぁ…結局収穫なかったなぁ。やっぱり湊先輩レベルになると泣いたりなんてしないんじゃ…)


ガチャ


名無しさん「ただいまでーす」

湊「………」

名無しさん(声掛けても気付かないなんて珍しいな…。……ん?)


『ーーですね。今、僕がこうしてまたフィールドに立ててるのは、献身的に支えてくれた妻のお陰だと思います。ほんとにーー』


名無しさん(…この音楽…“情熱列島”だ)

湊「くっ…」

名無しさん(ん?)

名無しさん「そんなにおもしーー」

湊「うっ…」

名無しさん「……み、湊先輩?」

湊「あ?……!!お、お前いつから…!」

名無しさん「つい二、三分ほど前ですけど…。ちなみに声は掛けましたよ?」

湊「へ、返事するまで部屋に入ってくんなよ!」

名無しさん「ええっ、そんな無茶苦茶な…、というかーー」


『ーードン中山は、これからも素晴らしい活躍を見せてくれる事だろう』


名無しさん「…ぶふっ…!」

湊「笑うんじゃねーよ!」

名無しさん「だ、だって、あんなに頑なに“男は簡単に〜”とか何とか言ってたのに…。しかも情熱列島って…」

湊「はっ、お前には分かんねーよ。もうダメかもしれねーって思ってたのに、それがまた……くっ」

名無しさん(だ、駄目だ。言っちゃ悪いけど面白すぎる…!これは明日秀星先輩に報告ーー)

湊「…名無しさん、ぜってー言うなよ誰にも」

名無しさん「さぁ、彼女として彼氏にウソはつけませんから絶対なんて言い切れないですね〜」

湊「…鳴かしてやる」

名無しさん「へっ?あ、ちょ…!」



こうして翌日、腰痛に悩まされながらも秀星先輩に報告に向かう私なのだったーー。





happy end
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