排球×黒籠

□プロローグ
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異端児育成学園。



近年異端な力を持つ子供が増え、その対処に国は追われていた。



力が制御出来ないもの、コントロールが難しいもの、自分で理解出来ていないもの……様々な子供がいるなかで事件とは起こってしまうものである。



人を傷つけてしまったり、物を壊したり……人に恐怖を与える力を持たない者は持つ者を拒絶した。


このままではせっかくの人類の発達が途絶えてしまうと国は異端児のみを収容する学校を作った。



名はそのまま、異端児育成学園。

12歳〜18歳までの生徒を基本とし、男女問わず入学を認めた。



全寮制で能力や適性から5つの科に分かれて生活し、個々の能力を見極め、成長を見ると言う特殊な学園でルールも様々。



15歳から傍付きと言う身の回りの世話をしてくれる生徒を1人選び、自分の学んだことや強さを教えると言った制度もあり、科のトップは3人必ず傍付きを決めるという制度もある。



その他色々学園には決まり事や、ルールがたくさんありますがそれは生徒手帳をご覧下さい。










「以上簡単な説明を終わります。次に、寮と、寮のトップ達による挨拶を行います。」



司会進行の教員がそう言うや否や、入学式をしていた広間は証明が全て落とされた。



新入生は何事なんだとキョロキョロ辺りを見回す。



「異端児育成学園の寮は5つに分かれてるって知ってますよね〜!」



「それぞれにモチーフの色と動物が名前なんだぜ!」



いきなりステージに光が集まり、二人の女子生徒がステージ中央に立っているのが分かる。



1人は赤いリボン、もう1人は黒いリボンを指定制服の上から着けていた。



「まず私!1つ飛び抜けた珍しく意外な能力で柔軟性が高い生徒が集う寮、黒猫寮の……望月 李杏でーす!」



金髪のセミロングのお団子頭の少女がその場で1回転して笑顔で新入生に手を振る。



黒猫寮。


飛び抜けた意外な能力を持つ柔軟性を大事にした寮で一番自由な場所である。


成績上位者は少ないが、能力の伸びはよく、今まで1度も失敗者を出さなかった寮で有名でもある。




「次はあたしな!
力強く、体を使う能力者に長け、適性を重要視した生徒が集う寮!名は赤蛇寮!
そこの代表五月雨 心だ!! 」


黒髪でショートカットの少女が自慢気に腕を組んでそう告げた。



赤蛇寮。


名に似つかわしく、体に起きた異端な力を持つ生徒が多く集う寮である。

豪快で、それでいて体に合う適性を重要視した努力を惜しまない寮。



二人はニヤリと笑うとお次はこちら!とステージから飛び降りて布の様な物を取りだし、ステージにバサアっ!と被せたかと思うと、布が掃けた時、色素の薄い金髪に、白い肌をした美少女がステージ中央に立っていた。

リボンの色は緑。



彼女はにっこりと綺麗な笑顔を浮かべた。



「美しく繊細で人を魅了する能力と感性に長けた生徒が集う寮、緑蝶寮、代表の如月 星蘭でーす!」



彼女はヒラヒラと手を振りながらステージ階段から降りていく。



緑蝶寮。

美しい魅せる能力を持つ生徒が多く集う寮。

プライドや性格がやや偏る寮だが仲が悪いわけではなく、寮生通しは仲が良い。
戦闘力は少ないと言われる。



「馬鹿か、アイドルではないのだからなっ」



次にステージに出てきたのは紺色のショートカットの髪に黒い眼鏡をかけた少女。
リボンは青。


少し顔が赤い辺り、この紹介に不満を持っていたのか、登場はやや雑だ。



「……戦略的頭脳的……積み立ててこその能力と知性に長けた生徒が集う寮……蒼鯆のトップ、
汐 栞 だ。」



こほん、と咳払いをしたあと、少女は軽くそう告げた。

黒猫代表の少女に腕を引っ張られ、ステージ上から降りていく。



蒼鯆寮。

述べた通り、学力に長け、戦略的で頭を使う能力を使う生徒が多く集う寮。

学力は寮内随一で何でも赤蛇寮と犬猿の仲だとか。



最後にステージ裏から出てきたのは、光に照らされきらきら光る長い銀髪に青い目をした、少女。



「特殊な能力と強い個性をあわせ持つ生徒が多く集う寮、白梟寮代表……
紬 未来。」



はあ、と小さく息をはいた少女が片手を腰に当ててステージ上に上がって来る面々を見つめる。





白梟寮。

能力制御が難しい異端児の為の寮であり、代表は他生徒を拘束する権限を持つと噂の寮。


5つの寮のトップと思われがちだが実際は権限を多く持つだけだとも言う。



5人がステージ上に並ぶと新入生は綺麗、強そうだ、先輩は違うなどと口々に色々述べ始めた。



白「寮は自分の意思ではなく、5月に行われる適性試験で寮が決まります。」



黒「寮通し仲が悪いわけではないので仲の良い子と離れても落ち込まないでねっ!」



蒼「適性試験では、異端な能力だけでなく、学力と運動力も試験の内容だ。」



緑「今年は14歳〜16歳の新入生が多いみたいなので、合同で行うかもしれないね〜っ」



赤「今日は新入生歓迎会があるから寮のなん足るかを学べるかもしれないな!」



白「……入学式が終わった後成績上位者を迎えにあがります。
学力ではなく能力値で選んでいるので落胆したりしないように。」









「何で寮代表が自ら?」



「何でも傍付きをまだ決めていないから新入生から選ぶらしいわ。」



「14歳の俺らは傍付きになるだけだから何とも言えないよな……」


「でも代表の傍付きの傍付きになれば色々権限を手に出来るみたいだし……」



「白梟寮なんか……特にね」

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