庭球
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陽菜達は部員に軽く挨拶をしたあと陽菜だけ直ぐに跡部に連れられコートから出ていってしまいました。
そこで京子がわざとらしく咳払いをし
「これから私達、特に朏陽菜について規制してもらうことがある。もしこれを破った場合練習量が10倍にするため気をつけるように。これは連帯責任である」
さながら隊長の様に京子はポカンとしている部員達に必要事項を言っていきます。
陽菜を後ろから押さないこと。
急に手や肩を引っ張らないこと。
驚かさないこと。
陽菜に力仕事や動く仕事は任せないこと。
京子はそう言い指をボキボキ鳴らしました。
「これは陽菜には絶対知られるな?あたし達3人はちゃんと雑用でもなんでもしてやる。特にひよりはな。良いか?絶対だからな?」
京子は念押ししたあとコートから出ていきました。
部員達は京子の言葉に戸惑う物の不平不満を洩らす奴はいませんでした。
何故なら四人が結構な美少女だったからです。
「じゃあ私と京子はドリンク作るわ」
「じゃあ私は……掃除?」
「出来ないでしょ。球拾いしてなさい」
氷帝学園は200人以上部員がいますが洗濯は基本皆家でやるため、部室に完備してあるタオルやあまりに汚れた衣服しか洗濯しないため基本はドリンク、掃除、練習のサポートで球拾いやボール出しが主な仕事でした。
大きいタンクに分量通りドリンク用の粉を入れレモンの果汁等も入れかき混ぜます。
そのタンクについている蛇口の様な所からボトルに入れていき持参している部員もいますが余分に作っていきます。
「流石氷帝……部室広いし綺麗だし冷暖房完備でシャワー室まであって何故か談話室らしき所まであるなんて……」
「会議部屋みたいな所もあったなー」
無駄に広い部室の中で出来たドリンクを籠に入れ台車に乗せていく二人。
こちらは順調な様です。
一方ひよりは……
びゅん!びゅん!びゅん!
「……」
びゅん!!
「チョタさっきからわざと私にサーブしてるでしょ!?」
「ええ!?偶然なんですけど……」
鳳と日吉の打ち合いの球拾いをしていたら異様にひよりに鳳のサーブが飛んで来ていました。
ひよりはそれを計画的犯行だとわめき散らします。
「鬱陶しいんで違う所行ってくれません?」
「いや、あんたらこそあっちのコートでやれよ!」
日吉達は陽菜やレギュラー、準レギュラーが多い場所からコート1つ分離れた所で練習していました。
ひよりはここだけ後で片付けるのめんどくさいと思いこちらに来たのですが……日吉は煩わしいと練習の手を止めました。
「陽菜さんに鳳のサーブ当たったら大変でしょう。今日サーブの練習したかったみたいなので」
「陽菜さんに見てては欲しいんですけど……怪我させたくないので……」
「……乙女か!!」
シュンと落ち込む鳳に犬の耳と尻尾が見えた気がしましたが……ひよりはキラーンと目を光らせ不気味に笑います。
「チョタは陽菜が好きなのか〜」
「はい!?な、何ですかいきなり!!」
ひよりの言葉に顔を真っ赤に染める鳳に日吉は眉を寄せ顔をしかめました。
薄々気付いてはいたみたいですがライバルが居ることに良い気持ちはしません。
「そうかそうか〜陽菜か〜可愛いもんね」
「う、……はい……」
「練習邪魔するなら京子さんに言いつけますよ?」
「なんだって!?」
ひよりが居るとやはりうるさい様です。
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