庭球
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「このまま落ちたら死ぬんじゃない?」
「いやあああ!!」
「紐なしバンジーにしては高くね?」
「ふざけんじゃないわよ!!」
何故か上空に少女四人がいた。
1人は空は青いなあ何て上を見ながら落ち、1人は泣き叫び、1人は暇そうに頭に両手を組み、1人は空を見てる少女にしがみついている。
何故こんなことになったかと言うと、直ぐ……数分前に遡る。
「今日は部活無し〜無し〜無し〜」
「歌うな音痴ひより下手くそ」
「近所迷惑よ」
「騒音」
「酷くない!?」
即興の歌を歌いスキップする少女を非難する3人の少女がいた。
高校1年夏の帰り道でした。
よくあるブレザーの制服に身を包み、ラケバと呼ばれるバックを背負っています。
銀色の髪と青い目を持つ少女だけはラケバを背負っていませんでした。
朏 陽菜と言う名前の少女は五十嵐 京子と呼ばれる黒髪ショートの少女の腕に恋人の様に掴まり左足を引き摺る様にして歩いています。
四人の中で背の一番低い椎灯ひよりは皆していじめて……と泣き真似をしています。
そんなひよりを清楚で優しそうな美人が哀れな目をしてひよりを見ています。
名前は御坂 ありす。
そんな四人が何時もの帰り道を歩いていると、神様が現れる訳でもなく、車に轢かれる訳でもなく、猫を助けた訳でもなく、マンホールに落ちた訳でもなく……
曲がり角を曲がった瞬間にまるで地面が無くなった感覚に陥り、びっくりして辺りを見回した時には……
もう落ちていました。
「名前紹介しただけ!!?うわーん!高いの怖いよー!」
「絶叫は苦手なのよ!!」
高いのと、ジェットコースターが苦手なひよりとありすは騒ぎ陽菜にしがみついているありすは迷惑そうな顔で睨まれています。
「あー地面見えてきたぞー」
「ばらばらになって死ぬのかなー痛そう〜」
呑気な二人を他所に騒がしい二人は声にならない悲鳴をあげて喚き散らす。
その時、下ではテニスをしている少年達がいましたが彼女達が気付く事はありませんでした。
「……夢見てるんかなあ……」
「何だ侑士寝ながらテニスしてたのか?」
「それ只のヤバい人やん……いや、空から人が……」
「人?侑士遂に目がイカれて……あ、ホントだ!!跡部ー!」
中々失礼な事を言いダブルスパートナーの心にグサグサナイフを刺していく向日がいましたがそんな傷心した忍足なんかに構う暇もなく近くにいた跡部に声をかけます。
「アーン?何騒いでやがる」
「侑士がとち狂った事言い出したと思ったらマジで空から人が落ちてきてんだよ!」
「アーン……人だ?……マジか……」
氷帝のキングさえも唖然と空を見上げる中、レギュラー陣も不思議に思い空を見上げます。
「何であんな1人を犠牲にするみたいに1列で落ちてくるんだ……?」
そんな日吉の言葉は空の少女達の非情な判断でした。
「仕方ない……私達3人が助かるためにひよりに犠牲になって貰おう。」
「「賛成」」
「はあ!?ちょ、ウチら親友でしょ!?」
「親友なら私達を助けなさい」
「ぎゃー!!」
京子を筆頭にひよりを生け贄にすることが決まり、ひよりを下に他3人は悲しげに言葉をひよりの上から投げ掛けます。
「ひより……私達の為に……」
「何て良い奴だったんだ……」
「あんたちゃんとクッションになりなさいよ」
若干1名、言わずもながらありすですが……非道にも程がある言葉を吐きました。
そんな少女達は地面に落ちていきます。
「皆避けとけ!!」
跡部が近くにいたレギュラー陣に言葉を掛けると蜘蛛の子を散らすように皆が離れていきます。
レギュラーしかいないのは休みの日の自主練だからです。
そして氷帝学園テニス部のいた場所に少女四人が酷い衝撃で落ちました。
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