リクの部屋

□ダイエットはベッドの中で…
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チラチラと伺うような視線…

小動物のようなオドオドした態度

「櫻井〜??あんた、わかりやすすぎ!あたしの顔に何かついてる?」

ドキーン!と胸が鳴る

「な、何でもありません!!」

逃げるように給湯室に逃げ込んだ

「はぁ、ったく、警戒しすぎだ、」

溜め息をついたのは穂積

先日の捜査室で少しふっくらした頬と艶のある唇

邪な気持ちを隠すために誤魔化した

「あんた、太ったんじゃない?」

なんて言いながら触れた腰は細くて

そのまま抱き締め柔らかく香る髪に顔を埋めたいなんて…

穂積がデスクから立ち上がると淹れたてのコーヒーの香りが扉の向こうから漂った

穂積はカチャリとドアを開けてやると扉の前で驚く翼と目が合った

「あっ、の…ひゃあ、」

目が合った瞬間スルリと頭から頬を撫でられて変な声が出た

「す、すみません、」

赤くなり俯くと耳もとに響く少し掠れた室長の声…

「ありがと、翼…」

仕掛けたのは穂積からみるみる赤くなる部下に笑みを浮かべた

室長はすぐ戻ると言い携帯を片手に扉の向こう側へと消えた

緊張から解かれたかのように息を吐き出しコーヒーを配り歩く

(びっくり、したぁ、)

心を落ち着かせてコーヒーを配りしばらく経つと室長が戻ってきた

翼は立ち上がり冷めたコーヒーを手に取った

「淹れ直してきますね、」

「それでいいわよ、」

「でも、」

翼の手の甲に穂積の大きな手が重なる

「これがいいんだけど、」

デスクに座る室長の手にギュッと力が入って思わず身を引くと元の位置まで引き寄せられる

上目遣いの室長は熱っぽく見つめてくるから目が離せない

コーヒーを飲む姿にハッとして仕事へと戻る時に残業を言い渡された

「はい、」

と了承して頭を下げる翼

定時で帰る捜査室メンバーはとばっちりが来ないように資料整理する翼に声をかけて次々と帰っていく

笑顔を振りまく翼に疼く身体を鎮めるように喫煙室に向かった

「はぁ、」

何故か溜め息をつく穂積

根はマジメ、しかも立場の有る上司、冷静になれば鎮まる熱…

「帰してやるか、」

と、誰に言うわけでもなく呟いた
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