遙かなる時空の中で5

□世界より
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「いや………どうして…っ」



薄暗い部屋に、美しく悲しげな声が上がる。



乱れた衣服、そこから覗く白く細く、そして柔らかそうな腕や太股、胸の膨らみ。
潤んだ瞳に、涙の筋が幾重にも重なる赤らんだ頬。
平素の彼女からは想像もつかない程に艶かしい姿。


そのどれもが私にとっては興奮材料でしかなく、大切な彼女が嫌がっても、もう止めることはできない。


「いたっ、…やめ……!? …んんっ」


頭上で拘束した手首に、柱と繋いだ縄が食い込み痛むのか彼女の口から吐息と共に訴えが漏れるが、それごと己の唇で塞ぎ、口内を蹂躙する。

愛しいひとの唇をじっくりと味わいながら、右手で彼女の体を解していく。


「ふ……ぁっ」


激しい口付けの合間に溢れる彼女の甘い啼き声。
私の手で彼女が反応してくれるのが嬉しく、それだけで痛いほどに自身が主張するのがわかる。

もっと乱れた姿を、声を求め、彼女を激しく攻め立て支配していく。
すると彼女の声が一層甘く震え、指先を埋めたところが水気を帯び室内に卑猥な音を響かせる。



「ゆきちゃん……」


堪らずに恍惚と名を呼ぶと、恐怖と、少しばかりの欲に染まった瞳を揺らす彼女。







……ごめんね、ゆきちゃん。










でも、私は……
キミのために世界を失うことがあっても
世界のために、キミを失いたくない

これ以上キミが、命を削ってまで世界を救おうとするのを、見ていられない。


私には、キミより大切で、失いたくないものなど……何もないんだ。



だから……










私のものになって。














末永く、キミはここで










私と暮らそう。















ふたつの世界が全て、崩れ去るまで。















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