パラレル短編

□狸寝入り
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「ねえ」
「…………」
「ねえってば」
「…………」
「どうせ起きてるんでしょ?」
「…………」


返事がない。ただの屍のようだ。

昔からマイペースで寝るのが好きな性分だったけど、あの鷹の目が私の気配に気付かないわけがない。


狸寝入りだと思うんだけど……。


ソファに寝ているミホークは、静かに胸を上下させている。近付いても、それ以外が動いている様子はない。

私なんかソファで寝ちゃったらすぐ転げ落ちちゃうのに……なんて言ったらミホークは、「ただ単に寝相が悪いだけだろ」って返してきたっけ。


しかし、これだけ近付いても気付いた様子を見せないのも、なんか癪にさわる。

なんとかして起きないかな、とのしかかってみると、鷹の持つ金色の目が姿を現した。
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