海賊
□狼は変革を決意する
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目覚めると、見たこともない景色が視界に広がった。
見たこともない景色じゃなくて、ただ単に視界が歪んで景色がおかしくなってるだけだけど。
「あら、起きた?」
誰だかよく分からないけど、私に声をかけてきた。うん、凄く気持ち悪い。
頭痛いし吐きそうだしなんか気持ち悪くふわふわしてるし、何これ二日酔いってヤツ? しかもやべえこの人誰だ、人の判別つかねぇ。
「………き"も"ち"わ"る"い"………」
「10分以上もお酒に浸かってたんだから、そうなるわ。子供だから度数が高くなくても危ないし」
誰だっけ私に酒呑ませたの。
ん? 酒呑んだ覚えねぇな。あっ今酒に浸かってたって言われたな、酒に浸かる? 酒風呂? もったいねーよ。違うな、あぁ酒樽にぶち込まれたんだっけ? 誰だそんな蛮行しやがったの。
えー……確か茶色くてすごい頭してて白っぽい人だった気がする。……サッチか。
「さっち……まじサイテー………けつから酒のませてやる……」
あまりの体調の悪さに酷い暴言を吐く。近くで私に声をかけてくれた人が顔を引きつらせたことを、私は知らない。
しかし、体調が回復した夕食の時間にご飯食べてたら、申し訳なさそうにサッチがデザートを持ってきてくれたので、良しとする事にした。
半日以上を二日酔いの為に潰したが、夕食を食べている合間にとある事を思い出した。