海賊
□狼は雨中に夢を見る
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確認した所、私が身投げしてから数時間が経っていたそうだ。
幸い近くに医療の知識がある人がいたため、心停止したのにも関わらず後遺症もなく、すぐに回復したとか。
それにしたって早すぎる、とメイリアさんは訝しげにしていた。動物系能力者の特権かな?
船の方では、もう私が目を覚ましたことが伝わっているらしい。
溺れてるとこを保護したガキが回復したし、身寄りもなくて新しい妹分になるから宴をしよう! となったとか。
「うん、これで良しっ!」
完璧、とばかりに笑むメイリアさんを尻目に、私は着せられた服の様子を確認した。
今日は暖かい日なので、軽めの服装にしたらしい。
メイリアさんの白いロンTをワンピースのようにして、上に青いポンチョを着ている。全体的にゆったりとした印象だ。
顔の怪我や足の痣まではカバーできないが、とりあえずは大体の怪我は隠せた。
「気に入ってくれたかしら?」
「うん、可愛いです」
満足気に笑うメイリアさんにこちらまで癒される。可愛いわーメイリアさん。