海賊

□プロローグ
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※残虐な表現もございますので、ご注意下さい。OPキャラ出ません。


「……ッ‼」


バチンっと音が弾けた。

頬がビリビリと痛み、平手打ちの衝撃で頭がグラグラする。


「殴られたくなけりゃ謝るぐらいしろよ。その程度の事も出来ねぇのか、テメェはよォ!」


耳障りな濁声が叫ぶ。痛みへの恐怖から、私を殴った父親に懇願する。


「ごめっ……さい、ごめんなさいっ!たたかないで、ごめんなさいッ……!」


無精髭の下でにぃ、と口唇が歪む。
謝ったところで、殴るのを止めるつもりなどないのだろう。

海賊の船長に、慈悲なんか期待できない。

船の床に倒れた私は、延々と踏みつけられる痛みに耐える。
耐えながら、私は薄ぼんやりと考えた。

どうしてこうなったのだろう。

平和な国で平和に暮らしていたはずなのに、どうしてこうなってしまったのだろう。
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