歌姫は希望を詠う

□Intro−恋はkissから−
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──私の歌は、ちょっと…いや、かなり変わってる。
夢も希望も、すべてが現実に反映させることができてしまうんだ。

 あ、私、実は作詞や作曲するのが数少ない趣味のひとつなんだよね。で、完成させたら、自分で歌ってみたり。

もちろん、プロみたいな歌ができるわけじゃないし、歌唱力はせいぜい、カラオケマスター目指してる素人レベルだと思ってる。

 でも、でもね、ちょっと不思議なの。
例えば、作った歌を歌うと、その歌詞になぞらえた『現象』が起きる。

 この間は、炎が突然現れた。
または、水が凍ったり、逆に蒸発したりしたこともある。

 ね、不思議でしょ?
 その気になったら、世界征服とか出来そう、なんて。

 そんなアホらしい想像をしていた、そろそろ中学も卒業という時期、ちょっとした事件が起きた。



「アリア!今回の中間試験どうだった?」
「どうも、こうもないよ…」

 机に突っ伏したまま、話しかけてきた友人に元気なく答える。
ヤバいぞ…特に理科と数学。あと英語も。
 3教科合わせて半分もいってないという絶望ぶり。

「こんな答案用紙、お母さんに見せたら……」

 宇宙の果てまでパンチ一発で吹っ飛んでいく自分の姿が妙にリアルでゾクッとする。

制作中

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