望月の楽園
綺麗な綺麗な満月の夜。
月の都で、不思議なウサギたちがたくさんの人に
招待状を届けています。
なんて語っている間に、これはこれは、珍しいお客様だ…。
どうしてこの場所がお分かりに?
…おや?その手にお持ちのものは…。
…これは失敬。《招待状》を持っておられましたか。
では、こちらへ…
貴方様がここにおられる間、
私は案内人として、貴方様に仕えさせていただきます。
では、ごゆるりと…
貴方は18393人目のかぐや姫。
貴方様は、此処では特別な「かぐや姫」。
さて、姫。星空の観測はそこまでにして…。
中に御入り下さい。外はさぞかし寒いでしょう…?
客間でお茶でも飲みながら、私についての
つまらない戯言を聞くもよし、
お部屋のベッドで、不思議な夢を見るもよし…。
姫はどうなされますか?
……かしこまりました。仰せのままに。
ささ、こちらです…(ニコ
…姫?もうお帰りになられるのですか?
名残惜しいですが…また、この楽園でお会いしましょう。
次に会う日は、また月光の神秘的な輝きが
貴方に降り注がれますように…。
最終更新日 2015/11/16