海の巫女
□2.彼女の名
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「........」
静まり返るその場
「........」
ローは、予想をしてなかった様に目を見開いている。
「「「....ぉおぉぉぉぉ!!」」」
「よくやったちゃん!」
「いやぁ〜やっぱりヴィラちゃんは凄いね〜」
ワァッと歓声の上がる酒場。
男達はグラスを交わし合い酒を飲み切る。
店主は、あまり表情を変えることなく腕をパンパンとはらった。
「ごめんさないね、お兄さん、空気を悪くしちゃって」
「いいや、面白いもんが見られた」
口角をあげるロー。
「....そう?面白いこと言うのね、お兄さ....いや、‟トラファルガー・ロー”さん」
「!....気づいてたのか?」
「えぇ、その辺は妙に詳しくてね。それに、懸賞金2億Bの有名人じゃない」
当たり前よっと笑う彼女は、先ほどの低い声とは、変わり朗らかで優しい雰囲気のある女性に戻っていた。
「さっきは、どうもね、助けてくれようとしてたでしょ?」
「………礼を言われる筋合いは無い、ただの気分だ」
これは驚きといや、いうよりも、警戒心を巡らせた言葉だった。
なぜなら、助けようとは思ってもローはあの時点ではまだ、それを行動に移していなかったのだ、なぜそのことが分かったのか、大げさに言えば人の動きを読む力…
ローは、まさかな....と思いながら、口に酒を含んだ。
「そう?でもありがとね....」
「それにしても、やけに柄の悪い客が多いが」
「ここは、表通りみたいに目立たないからね、海兵やら保安官から身を隠すならもってこいっていうような酒場なのよ」
このなの日常茶飯ですよっとあまり気にせず、笑うヴィラ
「成る程な」
「今日は、お代はいいですよ。お礼として沢山飲んでいって」
気前良く目の前に酒を出す彼女
「いや、俺は何も....「いいじゃない、それでも悪い気がするなら、この島にいる間はお酒を飲みに来るんならうちの店にに来るって条件で」
「……悪くねェ」