届く声

□3話 一次試験
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試験開始から2時間
受験者達が走った距離はすでに30qを超えていた


シキは、ゴンと話しているときに試験が開始されたため、必然的に並んで走ることとなった







「ね、シキはどこからきたの?」


「和の国〈ジャポン〉っていう島国」


「ヘェ〜、俺はクジラ島ってところから!!」




他愛もない話をしながら話す
ほとんどはゴンから質問するかたちになっているが

少し会話を交えてゴンについて分かったこと

出身はクジラ島というところ
今まで島を出たことはなく、父親が同じ12歳で試験を受けたことにより自分も受験したことなど…



それと






(やっぱりこの子いい子だ)




単純感じたこと

無意識に口元が微かに緩くなる
会ってから始めて微かに笑う少女をみて、ゴンは笑い返した







「こら待てガキ!そのスケボー反則だろ!」






シキ、ゴンの視線はその声へ集まった

レオリオは銀髪の少年がスケボーに乗り横を通り過ぎたのを見て怒鳴った






「なんで?」


「これは持久力を試すテストなんだぞ!!」


「違うよ」





ゴンが答え、前へ出る







(あ、キルアって子)



ゴンについていくと、先ほど会った少年であることが分かった






「試験官は付いて来いって言っただけだもんね」


「ゴンてめ!どっちの味方だ!」


「君いくつ?」


「12歳!」





(ふーん、同い年ね…)





ガシャッ




「やっぱ俺も走ろーっと」





キルアは華麗にスケボーから降りる





「俺、キルア」


「俺はゴン!」





ゴンはシキが隣から消えていることに気づく

シキは二人に気づかれないようにそのエリアから離れようとしていた




「シキも早くおいでよ!」




ゴンはシキを呼ぶ

その声にビクリと反応するが、ここで断るような失礼な態度はできなかったシキ





「あ、うん」


「あ、さっきの…」





キルアが彼女の存在に気づく





「え?シキと知り合いなの?キルア」


「知り合いってほどじゃねーよ。名前聞き忘れてたから丁度良かった、お前シキつーのな」


「どうも…」




どうやらさっきのら私の言葉

『苦手だから近寄らない』というものに、キルアは自分から離れようとはしていなかった
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