海の巫女

□10.海軍本部
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ズカッンッ!!!!!

大きな衝撃が軍艦の船内まで響く






「……?」





柔らかいベットの上にイワンコフが寝かせていてくれたため衝撃によるダメージは無かった。ヴィラはつかの間の休息を終え、目を覚まし船内から外へ出る







「何が起きたんだよ!?」


「わからねェ!急に大波にさらわれたかと思ったら、突然海面が凍って艦が氷につかまった!!」


「あ!ヴィラ!!」





ルフィが船内から出て来たヴィラに気づく






「大丈夫か?疲れてるってイワちゃんが言ってたぞ」






上手くイワンコフが休んでいたことに理由をつけてくれたらしい、ヴィラはルフィに気づかれないようイワンコフに一礼をした







「大丈夫よ、それよりこの氷は…」







海上は冷えるが、それ以上に今は寒い、冷風が氷の上を通って彼らに吹きかかる






「下を見てみろ、答えがわかる」


「オヤジさん!!」







氷の大地から下を見下ろすと、海軍本部の戦場にて数万人を超える数の人が駆けずり回っているではないか。彼らの声は遥か頭上のヴィラたちまで聞こえている






(あれは…モビーディック号)







遠くからでもその巨体は目立つ
ヴィラが一度乗船したことのあるその見事な船_モビーディック号は白ひげがその戦場にいることを簡単に教えてくれる








「もう、戦争は始まったチャブルのね!!」









戦争はすでに始まっている
今はどうやってここから戦場へ降り立つべきか考える必要がある







「お前ら聞け!!俺にアイデアでこれを乗り切る!!」







ルフィが思いついたアイデアとは、軍艦を固定している一部の氷を破壊し、身動きができるようになった軍艦を氷の滑り台の上を滑らせ、海上へ戻すというものだ








「軍艦だぞ!!バカガネ!動かせるわけがないガネ!!」



「みんなで力合わせれば大丈夫だって!!な!?ヴィラ!」


「ん……うん、氷は破壊できると思う。でも思い通りにいくかどうか……」







〔プルルルル…〕






海軍用電伝虫が鳴る






〔全艦全兵に連絡!目標はTOTTZ、陣形を変え、通常作戦3番に移行、準備もぬかりなく進めよ!〕







「海軍の連絡だ、なんかの暗号か?」


「お前!元々海兵なんだろ!?なんかわかんねェのか!」









バギーの問いにヴィラは首を横に降る

もちろん在軍中には暗号についても頭に叩き込んだ、しかし、この通信を聞く限り2年前の暗号とはだいぶ変わっているように思える、ヴィラには意味を読み取ることは現在不可能だった






〔整い次第予定を早め、火拳のエースの処刑を執行する〕




「「「!!?」」」






「ルフィ、迷ってる暇は無いようよ!」




「あァ!急ぐぞ〜〜〜〜!!!!」










氷にヒビを入れる




ドゴ……


「「「!!!?」」」




オンッ!!





あまりにも大きな力を入れたため、予測よりも簡単に氷は割れ、氷一角丸ごとが軍艦ごと落下してしまう


落下したい方向とは逆に軍艦は傾く




「あああ!!!」

「逆逆〜〜!!!」











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