海の巫女
□4.正体の一部
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外へと出た彼女の背中について行くロー。鬱蒼とした森に入っていく彼女を、少し警戒した様子で後を追う
「ここを抜ければ、着くきます」
目的地に到着しそうということで、ローは背負っている刀を握る
「そんなもの、抜く必応ありませんよ」
「.....!!」
音も立てず刀に手をかけたはずが、後ろを見ていない彼女が背後にいたローに忠告したのだ。
刀に手をかけたといっても、斬る気などない、用心は越したことはない。
「少なくとも.....あの子達の前ではね」
「.....?」
彼女の言う‟あの子達”に疑問をもつロー
カサッ
森を抜ける長い雑草を手でかき分けると、海が見える丘のような場所へと出る。
「やっと来た!」
「遅かったね、ヴィラ姉ちゃん」
「もー、待ちくたびれた!ヴィラさん!」
次々に聞こえる幼い声に、ローは己の耳を疑った。
が、
視線をズラせばそこには
聞こえてきた声は本物で、数人の子供達の姿が目に入った。