海の巫女
□2.彼女の名
1ページ/4ページ
時間が経ち日が落ち夜空が見えた頃、ローは再びあの店へと足を運んでいた。
昼間とは変わり、オレンジの光で照らされた外見や店内は、とても雰囲気のあるバーへと姿を変えていた。
「いらっしゃい....あら、昼間のお兄さんね」
相手が昼間の客だと分かると、また来てくれて嬉しいと一言、笑顔を見せる彼女。
「へぇ....」
彼女もまた淡い青色の生地に黄色の花柄ワンピースと金のピアスという、大人びた格好をしていたため、昼間とは違う形で彼女の美しさを引き立てていた。
その彼女の姿に、静かに口角を上げるロー。