海の巫女
□一章 1.同じ名の女
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ここは、温暖な気候が作り出した緑豊かな美しい島_ドゥーニ島
この島に今世間を騒がしている億越えルーキーの一人 ‟トラファルガーロー”を船長とするハートの海賊団の船が定着していた。
「キャプテン!どこ行くの?」
「散歩だ…」
クルーの一人である、人の言葉を話す白熊_ペボに留守番を任せ、船を降りるロー、そのまま街へと向かっていった。
昼の時間帯ということもあり、街は賑やかだった。市場が開かれ人々は活気がいい、とても雰囲気のいい街並みである。
「…?」
ローはある場所で足を止める。目の前には、古びた図書館。元々、医者であるローはかなりの読書家でもあるため、この様な所には一層興味がわく。
ギィィ…と古びた音をたてドアを開けると、数千万本という本がズラリと並んでいる。利用者は、一二人くらいしかいないように見える。向かうは無論医療関係の本が並ぶ一角。
「見たことねェ本だな」
そこには、この島特有なのかは分からないが、見たことのない本が沢山存在する。
一つ試しに取り、ページをめくると変わった内容の本ばかりであった。それはローの興味を惹きつけるには十分過ぎるものだった。