白き花
□1話 一年入部
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「部員は集まった?」
あまり興味がなさそうに、軽い口調で問いた咲
新入生表を覗き込んで見る
「今年も、100はいくだろ」
答えたのは隣に座る、虹村
こいつとは、お手て繋いで幼稚園通ったぐらいからの付き合いであり、今もそれなりには仲は良かった
「今年も多いことで.....それより、マネージャーは?増やしてくれないと私が疲る」
「知らねーよ、つか、ちゃんと仕事やれよな....今んところは、三人だ」
三という数字にそれなりに満足した彼女は、目を少し見開かせ感動の声を漏らす
「変人はお断り」
「ワガママ言うな」
「ハイハイ」
両耳を上げ軽く返事をする
軽い会話を終えると 、一瞬の間とともにゆっくりと咲の目つきが変わった
「........ 」
目つきが鋭くなり、黒い瞳は光を放ち光だす
それと同時に、心地よい春風が髪を靡かせる
「....?どうした」
明らかに雰囲気が変わった彼女に気づかないはずかない虹村
「音が聞こえる....」
「あァ?」
「''変わった....音''がね」
意味深な笑みを混ぜ合わせ、目を細めた咲
まるで何かを感じ取るように、静かに呟いた
桜が舞う
「今年は大変な一年が入りそうだなってことよ」
周りには春らしい穏やかな匂いだけが、広がっていた。