長編

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「俺、みょうじさんが好きです。付き合ってください。」


多分、高校入学からずっと私の人生最大のモテ期ってヤツが来てる。だけどそれを素直に喜ぶようなことはできなかった。


「ごめんなさい。私、部活に集中したいから彼氏とかはちょっと……。」


何度言ったかわからないこの言葉を告げるのも億劫だし、何よりこのモテ期は間違いなく工業高校という女子という生き物が極端に少ないこの特殊な空間だからこそやってきたモノだからだ。


***


「相変わらずよくおモテになりますね?」


部活開始時間ギリギリに体育館へ駆け込むと見慣れたニヤついた顔と声が私を出迎えた。


「あら、男女問わずおモテになる二口くんには敵いませんよ?」
「おい、ヤメろよ。」


向けられた顔と声に負けず劣らずのニヤついて言葉を返せば二口の眉間にぐぐっとシワが寄った。わかりやすい奴だ。
そんな彼にざまあみろと笑っているとゴツンと脳天に拳を落とされた。


「痛いんですけど、二口。」
「笑い事じゃないんだよ。」
「私としてはこれ以上に面白いことはないんだけど。」
「性格悪ぃな。」
「あんたに言われたくない台詞ブッチ切りで一位だね、ソレ。」


慣れた軽口の叩き合いをしていたら体育館の奥から部活開始の号令がかかる。その声を合図にぴたりと口を閉ざせば同じく口を閉じた二口と見つめ合うような形になる。その瞬間が何だか面白くてどちらともなく一瞬笑った。


「さて、今日もがんばりますか。」


今日も大好きな部活の時間の始まりである。


君と私の関係は、
(同級生で悪友で)(大好きな部活の大事な仲間!)



 

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