Novel
□運命の彼方 6
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「五代目」
「何だい?」
「さっき倒れた女は誰です?」
ずっと木ノ葉にいたネジだが、あのような女は初めて見た
「あの子はアヤミ、年は20だよ」
「アヤミ.....」
「最近表に出てきた子だ」
「というと....暗部?」
「違うね」
「......?」
「ずっとご意見番の下で動いてたんだよ....
暗部でもない、根でもない、唯ひたすらあの二人の駒だったのさ......可哀想に
そのご意見番も引退したんだがね....それであの子をアタシの所に寄越したんだ」
「五代目は知らなかったのですか?彼女のこと」
いくらご意見番専属の部下だったとしても木ノ葉で暗部をやっていた経験のあるイタチなら、姿を見たことがあるはずだ
重役とは度々顔を合わせていたのだから
でも、一度も会ったことが無いなんておかしすぎる
「隠されていた、というのが適正だ」
「隠す?」
「ああ.....あのジジイとババアは誰にも知られることなくアヤミを手元に置いていたのさ
アヤミに極秘に任務を遂行させ、アタシたちの知らないような情報まで手に入れていた......」
「.......」
どこまで情報を握っているのかは不明
木ノ葉にとって有利となるはたまた不利となるか
彼らは既に引退した身
「ネジ、アタシはイタチと話がある.....今日はもうゆっくり休みな」
「はい、失礼します」
ネジが部屋から出て気配が遠ざかるのを確認すると、また綱手が話し始めた
「里の皆はお前の真実を知っている、里の英雄だ」
「五代目.....すみません、元はといえば.....」
「言うな.....サスケのことはいいんだ、ナルトが上手くやってくれたさ....本当に、お前はいい兄貴だよ」
「......ありがとうございます」
「今話したアヤミについてなんだが.....裏切り容疑が掛かっていたんだ」
「裏切り....?!」
「あの子が表に出てきた時と死人が出た時期がほぼ同じでね.....それにご意見番からの回し者だろ?疑われて当然さ」