Novel
□運命の彼方 5
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陣を書き終えた彼女の掌は痛々しく
それでも痛みに顔を歪めることなく立っているアヤミ
いつもと同じ無表情で
感情は読み取れない
どんな気持ちで掌を切り
どんな気持ちで陣を描いたのか
それは誰にも分からない
すぅ.....
もう一度大きく息を吸い込み、そのまま吐き出す
2日間で練り上げたチャクラが体中に流れるのを感じる
丹念に丹念に
だって
失敗は許されない
目を閉じて
両手を天へと突き上げる
そして
息を吐き出しながらその両手を真横に突き出す
最後に
ゆっくりとしゃがみ込むと
胸の前で両手をしっかりと握り締めた
祈るような姿勢のアヤミ
何処からとも無く風が吹き
彼女の美しい髪を舞いあげる
太陽光を浴びてキラキラと輝く銀が眩しい
それは
神聖そのもの