リクエスト小説
□能天気で気紛れな
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「せーんぱーっい!!」
「騒々しいよ」
スキップしながら教室にやってきた後輩にそう言い放てば「酷い! でもそんな先輩も素敵・・・」なんて盲目的な事を言っている。
放課後の人の居ない教室で行われるのは他愛もない、俺から云わせればくだらない雑談会。
「ねえ、先輩先輩」
「ん?」
「先輩の冷徹な微笑みッ、でも格好良い!」
「で、なぁに?」
「先輩は何で僕とお話してくれるんですか?」
いつになく真面目な顔をして馬鹿な後輩がそんな事を言う。何で、って言われてもなぁ。
「気紛れ、かな」
「えーーーっ!!!」
「うるさいよ」
「やっぱり先輩酷いです! でもそんな所も魅力的です!」
「そりゃどうも」
そんなくだらない、馬鹿で脳天気な後輩から云わせれば楽しくて仕方ないらしい雑談会は放課後の誰も居ない教室で密かに行われている。
勉強や猫被りのストレス解消にはいいかもしれないね。
End