短編U

□会長様のペット君2
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レレ様リクエスト


どうも皆さん、清水 杏季です。
かの会長様に気に入ったと言われ、一週間が経ちました。


……何か、ずっと隣に居るんですよね。
会長様の親衛隊副隊長が!!

何でや!

…いや、似非関西弁も出ますよ。
会長様にそう言われたその日に親衛隊副隊長から「しっかりお守りするね!」とか言われたんだよ?

何が起こってるのか分からないんですが。多分それと同じくらい俺の周りも何が起こってるのか分からないんだろうなって思います。


「あの、」

「何? テスト範囲分かんない?」

「テスト範囲は分かる、大丈夫。
 そうじゃなくてさ。

 この一週間、件の会長様の姿を全く見てないんだけど」

「あー・・・」

何だその『やっぱり聞かれるよね』みたいな目は。あと俺がこの副隊長君に話し掛けると少しザワつくのやめて。自主勉してて。

「どこまで言っていいのか分かんないんだよね」

何をや。
副隊長は暫くうーんと唸ってから勝手に頷いてこちらを見て言った。

「君を惚れさせようと頑張ってる」

「ぶふぉ……!」


惚れさせよう、と?

ほれさせよう、と?

ほれ……ホレ……?

「日本語喋って?」

「日本語だよ?」


ですよね。
いや、会長様に気に入ったとか言われた時から嫌な予感はしてた。親衛隊にやばい目に遭わされるんじゃないかって思ったらまさかの護衛対象になってしまったし。
会長様に纏わりつかれるんだと思ったら一週間会いにも来ないし。

……アレ? ことごとく嫌な予感外れてるな。

「会いたいなら会いに行く?」

「ン……!? んーん!? 会いに行かないよ!?」

「何だ、会いに来ないのか」

「ンンン!?」

何か、低い声聞こえた。
妙に甘い声……聞こえましたね。

「おや、会長様。もうお仕事は終わったのですか?」

「…………」

「サボったんですね」

え、天下の会長様が黙り込んじゃったよ。
そのやり取りに戸惑っていれば突然副隊長にクイッと袖を掴まれる。

「頑張れって言ってさしあげてくれない?」

何でや(2回目)。
その顔のまま会長様の方をじっと見れば彼もじっと俺を見てる。

何待ちの顔ですかそれ、あ、真顔ですかそうですk

「お前に頑張れと言って貰えたら頑張れる気がする」

この人俺様じゃなかったっけ?
若干のヘタレ要素入ってませんかね。

多分これ言わないと去ってくれないやつですね。


「えっと……ファイトです、会長様…」

二つの拳付きです、クラス中がこっち見てるからめちゃくちゃ恥ずかしいです。

「ふん、それでいい」

あ、俺様要素あった。
会長様は得意げ(?)に微笑んで去っていった。

会長様来襲イベント…終了。
隣で何やらブツブツ言っている副隊長は放置の方向で。

……え、もしかしてこれ。
これから先も続く予定ですか?









End
 

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