短編U

□浮気成敗
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「生徒会長様」

わざとらしくそう言えばビクリと震える肩。
そう、わざとらしく。甘える様に。

言い方を変えればいつものように、猫を被って。


「生徒会長様」

「……何だ」

「……これ、なんですかぁ?」

「…………っ」

「これ、なんですかぁ?」


ちなみに場所は食堂。
ぶっちゃけこっち見てねぇで食事して欲しい


「『恋人を嫉妬させる方法』……ほぉ、」

あ、別に駄洒落とかじゃないです。
気持ちが分かる方は是非会長様の友達になってあげてください、実はこの方あんまり友達いなくて、話が逸れましたね修正修正。

「風紀に、借りた」

「ほお?」

「恋愛相談を、していたら、」

「えぇ、仰ってましたね」

「そしたらそれを、」

「なるほどその他諸々は理解しました、風紀会委員長には後でゆっくりお話を伺いましょう。……で? 貴方は僕に嫉妬して欲しかったんですか?」

「…………あぁ」

「だから転入生にキスしたんですかぁ?」

「…………っあぁ、」

………………、












「くっだらねぇ」

口から出たのは低い声。
ざわりと食堂が揺れる。
それと同時に目の前のクソ会長の肩も揺れる。


「で、俺はまんまと嫉妬して転入生に制裁したわけだが、なんだお前。嫉妬した俺の事見て喜んでたわけだ?」

「いや、」

「喜んでたわけだ?」

「…………ハイ」


異論は認めない。
俺はギロリと風紀会を睨みつける。

「よぉ、くっだらねぇ事うちの恋人に教えてくれやがってどうもありがとうございますねぇ。半殺しじゃ済まねぇぞこの野郎」


風紀会の方からヒュッとかいう喉が鳴る音が聞こえた。たかが一般生徒に怯えるなんざ風紀会もオチたよなぁ。


「クソ会長」

「…………ハイ」

「二度目は無ェ」


「……………………ハイ」


とまぁこんな具合で。
会長が俺以外にそういう目を向ける訳がねぇんだぜと証明できたので食堂を出ましょうかね。

早く食べねぇと昼休み終わっちまうよ?


End
 

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