短編U

□闇時計
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酷く痛み出す肩に脂汗が出る。

blackは追っ手に追い詰められていた。
いつも逃げ道を教えてくれるgoldとは連絡を絶ってしまったし、目が霞んで前が良く見えない。


「やっと追い詰めたぞ、クソガキ。覚悟しやがれ」


ニタニタと下品に笑う男共からジリジリと後ずさるが直ぐに背中が壁に当たる。
その衝撃が肩に響き、blackは「うぅ…」と小さく唸ると壁に沿って座り込んでしまう。



「へっ、鬼の黒騎士が呆気ねぇな」



男がナイフを振り上げた。
自嘲に満ちた笑みを浮かべるとゆっくりと目を閉じた。


















「ホント……、呆気ねぇな」









ザクリ・・・!



「うぁあああア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」



来るはずの衝撃は来ずに男の断末魔が聞こえた。
blackが目を開けるとそこには先程まで聞いていた声の主がいた。




「やっと見つけたぜ、クソガキ」



ニヤリと笑った彼に安堵した青年は意識を失った。

それを見た彼が男共を抹殺し、青年を姫抱きしてアジトに帰った事を青年が知るのは




少し先のお話である。




End
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