短編U

□ affection mutuelle
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相思相愛。

それは僕らを縛る言葉。



「ねぇ、困っちゃうな。もう学校に行かないといけないのに」


困った様に笑う兄は決して僕を無理矢理引き剥がしたりしない。
だって僕を愛しているから。


「…」
「昨日は暴れちゃったからね、疲れちゃったね……おやすみ、こと」


『こと』と僕の名前を呼ぶ兄は僕を愛おしそうに慈しむように目を細める。


ピピピピピピピピ



あぁ、もう時間だ────



「…」
「うん、行ってきます」




兄は僕をベッドに寝かせて部屋から出る。
僕はまた兄を待つ。


喋ることも笑う事もせず。
ただひたすら兄を待つのだ。





この静かな病室の中で────


End

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