短編U

□時々不安定なウサギです
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陸飛side


久しぶりに弘典が熱を出した。しかもかなりの高熱。
荒く呼吸をする同室を俺は時々汗を拭いながら見つめる。



コイツと同室になってから女遊びもしてないしダチと放課後につるむ事もなくなった。
それが嫌な事じゃなくてむしろ嬉しい事だと気付いたのは遅くなかった。


元々、人の世話とか好きだったし..前から気にはなってた。
うちの兄貴からも授業免除で学校の病院で治療を受けている奴がいると聞いたことがあった。



「..んっ..りく、と..」

「起きた?」


初めて会った時、これは本当に人間なのかと思うほどやせ細ってて触れるのが怖かったほどだ。


「のど、渇いた..」


「ん、起き上がって..ほらちゃんと持って」



でも話す仕草も動作もしっかりしてて同じ学年とは思えなかった。その分、弱っている時は有り得ないくらい弱々しく見えて・・・このまま死んでしまうんじゃないかというくらいに。



「ん、りく..と、」


「おやすみ、弘典」



理事長から言われてだとかいい人に見られたいだとかそんな馬鹿馬鹿しい理由じゃない。























――生きて欲しい――と、そう思った。


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